高校生向けの映像授業を利用する進学塾が広がっている。「東進衛星予備校」を手掛けるナガセは2014年度から新規教室の開設ペースを従来の約2倍に引き上げ、年100教室を開く。河合塾グループは17年度末までに6割増の300教室まで増やす。少子化で市場が縮む中、インターネットやフランチャイズチェーン(FC)方式を駆使し、予備校や学習塾各社はサービス網を一気に拡大する。
約930教室で実施しているナガセの映像授業はインターネットを使ったビデオ・オン・デマンド(VOD)方式。授業料は1科目につき約7万3千円。1回90分の授業を3~4カ月で約20回分受けてもらう内容だ。この映像には現代文講師で著名な林修先生などの授業も配信され、受験生の人気が高まった。
このため地方の中堅・中小の塾と契約を結び、開設ペースを加速している。これまで年50教室程度の新規開校だったが、14年度以降は同100教室に引き上げ、16年度末までに1200教室体制にする。FC契約の対象は今後、スーパーや百貨店などの異業種も想定し、将来は1800教室にする。
一方でナガセは従来型の対面式の東進ハイスクールは減らしており、映像授業が中心の「東進衛星予備校」に成長の軸足を置いている。

首都圏中心に展開している城南進学研究社では6月、個別指導塾「城南コベッツ」に映像授業を初めて導入した。現在は全体の約2割にあたる50教室で実施しており、来春までにすべての既存教室に入れる計画だ。14年度からはFC方式を中心に関西圏、中京圏でも映像授業を取り入れた教室を拡大する方針で16年末までに500教室まで増やす。
コベッツの映像授業は1科目あたり月額約1万円と対面授業のほぼ半額。すべての授業を対面方式で受けると授業料がかさむため、より細かく指導を受けたい場合は対面による授業を、そうでない場合は映像授業を薦める。映像授業は現在、英語と数学のみだが、来年度からほぼ全科目に拡大する計画だ。
河合塾グループの河合塾マナビス(東京・千代田)も映像授業を使った教室を拡大する。浪人生が減る中で同社は現役生に特化した個別指導塾で、VOD方式を導入している。学習方法などをアドバイスする担当者も置いて各生徒の学習相談などにきめ細かく応じる。現在は約190教室を手掛けているが、17年度末までに300教室に広げる。

2013.9.26. 日本経済新聞より