日本マクドナルドホールディングスが3月25日に株主総会を開いた。
例年以上に出席者は多く再生に期待する一方、壊れたブランドの再建は厳しいとする意見も目立った。
同社は現場に詳しい副社長を呼び戻し一から経営を立て直す姿勢を見せた。

株主総会には昨年よりも154人多い1237人が出席した。サラ・カサノバ社長兼最高経営責任者(CEO)は冒頭、使用期限切れ鶏肉問題や店舗での異物混入について「株主にご迷惑、ご心配をかけたことをおわびする」と陳謝した。「食の安全の確保を最優先事項と考えており信頼回復を進めたい」と表明。自ら全国をまわり消費者の意見を聞き取り、期待を超える商品づくりに取り組むなどと説明した。

日本マクドナルドが苦しんでいるのは自らの「オウンゴール」による競争力の低下だ。
原田泳幸前会長と米国本社が派遣した役員との対立で商品・サービス政策が迷走した。
効率を追求するあまりカウンター上のメニューを撤去するなど結果として客の利便性を損っていった。
そして14年夏の取引先による使用期限切れの鶏肉使用、今年1月の異物混入などの問題が相次ぎ急激な顧客離れが広がっていった。

危機感が強まった同社が再生の中心に据えたのが、25日付で日本マクドナルドHDの副社長兼最高執行責任者(COO)に就任した下平篤雄氏だ。
下平氏は現場が長い店舗運営のプロ。1978年に入社した生え抜き社員で店長や営業、本部とマクドナルドの経営に通じている。
原田時代にフランチャイズチェーン(FC)店舗を100以上運営する会社に転籍していたが、1月に招かれ日本人トップとなった。

今後、同社はカサノバ社長と下平氏の二人三脚で再生に挑む。マクドナルドの経営は「ビッグM」と「リトルM」に大別される。
前者は価格やメニュー、キャンペーンでカサノバ氏の担当だ。後者は店舗ごとの活動で下平氏が受け持つ。現在カサノバ氏が中心となりメニューや価格を練り直している。その戦略を下平氏が実行に移す。
経験したことのない大幅な売り上げ減に苦しむ日本マクドナルドの経営は事実上、リセットされたといえる。現場育ちの生え抜き社員と米本社との相乗効果が問われることになる。

2015.3.26. 日本経済新聞より