ダスキンが4月6日、ドーナツ専門店「ミスタードーナツ」のてこ入れ策を発表した。打ち出したのは食感を工夫した新製品と揚げたての提供という高付加価値戦略。昨秋参入したセブン-イレブン・ジャパンが全店でドーナツ販売体制を整える今夏に備え先手を打つ。チキンやコーヒーなどの店頭販売で専門チェーンから顧客を奪ってきたコンビニと渡り合えるか。
クッキーとベーグルの生地を掛け合わせた新食感のドーナツ「ブルックリン メリーゴーランド」を9日発売する。価格は172円(東京・神奈川のみ194円)。セブンと競合する100~120円の定番商品に比べ高い。それでも新商品の販売目標は3ヶ月で1千万個。一般的な商品は400万個程度だ。
強気には訳がある。昨2014年4月発売のクロワッサン風のドーナツ(172~194円)が消費増税にもかかわらず、1年で4100万個以上を売るヒット商品になったからだ。2015年3月期のドーナツ事業のFC加盟店を含む売上高は既存店ベースで6年ぶりに増えたもようだ(14年3月期は1030億円)。
もう一つのポイントは揚げたてへのこだわりだ。セブンは工場で作ったドーナツを店に配送し販売する。専門店のミスドは「製販一体」。今夏にも、レシピや油の温度などを工夫するなど製造工程を見直し、現在は約70個単位で揚げているのを20~30個単位にする。
こまめに調理し、より新鮮な商品を店頭に並べる。「ひと味違う、作りたてのドーナツを食べられる」という印象を消費者に植え付ける狙いだ。
ミスド利用者の約6割は家族などへの持ち帰りで商品を購入している。コンビニ利用者はいれ立てコーヒーのついでに買う場合が多く、すみ分けられるとの読みも働く。
ドーナツ販売には昨2014年11月、セブン-イレブン・ジャパンが参入。同月20日に参入が報道されるとミスドへの影響が懸念され、ダスキンの同日の株価(終値)は前日比82円下落(4.5%減)した。ファミリーマートも今月7日から袋詰めのドーナツ商品を拡充する。
巨大な店舗網や他の商品も買える利便性で消費者を吸い寄せるコンビニ。ミスドは全国に1350店舗を展開するが、セブンの店舗数はその10倍をはるかに超え、8月末までに全店でドーナツ販売を始める計画だ。

2015.4.7. 日本経済新聞より