葬儀会館運営のティアが神奈川県大和市に80店目となる「ティア相模大塚」を11月21日にオープンした。
親族だけが参加する「家族葬」の専用ホールを備え、控室には浴室も完備。親族らの利便性に配慮した。
関東では3店目となる。
中部に重点出店してきたが、関東や関西へも出店地域を拡大し始めた。
直営やフランチャイズ(FC)で出店を増やし、2018年9月期に全国103店舗体制を目指す。

16年9月期の単独業績は売上高が前期比6%増の108億円、税引き利益は6%増の6億9千万円でいずれも過去最高を更新する見通しだ。売上高は前期までの5年間で3割、税引き利益は6割増えた。
右肩上がりの業績拡大の秘密は出店戦略にある。
同社は出店にあたって「ドミナント出店」と呼ぶ戦略を採用してきた。
約60店運営する中部圏では各会館の商圏を直径3キロと定め、一定の地域に集中的に出店した。
こうした出店によって、ある会館が埋まっていてもすぐ近くの会館で対応が可能になる。

また、知名度も高まるうえ、繁閑に応じて近隣の会館でスタッフを融通できる利点もある。
同社によると、会館の稼働率は平均で約70%と高い水準を維持しているという。

高齢化で葬儀の参列者や供物も減り、葬儀単価は減少傾向にあるが、件数の伸びでカバーし、売り上げを伸ばしている。
一方、規模を生かして効率化にも取り組んでいる。一例が物流改革だ。
愛知県小牧市に延べ床面積約1千平方メートルの物流センターを開設し、中部地方の会館で使うひつぎや祭壇などを一括管理している。
かつてひつぎなどは商社経由で中国から少量ずつ仕入れていたが、保管機能が高まったことで
中国から大量に直接仕入れることが可能になった。前期の売上高原価率は12年9月期と比べ2.8ポイント低下している。

厚生労働省の統計などから同社は40年まで需要は増加傾向で推移すると想定しており、
全国ネットワークの構築にM&A(合併・買収)も視野に入れ始めた。
葬儀業界は個人経営も多く、経営者の高齢化で事業の継承に悩むケースも多い。
こうした業者を傘下に入れることなどを想定しており、17年9月期をメドにM&Aの専門部署の創設も計画中だ。

2015.12.4.付 日経新聞より