製紙各社が環境保護に配慮した紙製品と証明する「森林認証制度」の取得を加速している。
王子ホールディングス(HD)は9月、国内全ての紙・段ボール工場で国際的な認証制度を取得。大王製紙も年内に認証を得た工場数を3倍にする。2020年の東京五輪を控え、消費財メーカーなどが環境配慮型製品の調達を増やしていることに対応する。

取得には原材料の調達履歴を明らかにして、従業員の教育制度を整える必要がある。毎年実施される査察をクリアできるように社内体制を築かなければならない。企業規模に応じてFSC本部に対し、年数百万程度の手数料も支払う。

それでも対応を急ぐのは消費財メーカーなどが環境配慮型製品を調達する「グリーン調達」を進めているためだ。

花王は今年から商品出荷用の段ボールでFSC認証品を使い始めており、16年末には使用段ボールの半数を認証品にする方針だ。
日本マクドナルドも20年までに国内の紙製容器包装を全てFSC認証品に切り替える。
味の素やキリンホールディングス、三井住友信託銀行などは認証品などを積極的に使って環境貢献を目指す協議会を13年から運営している。

五輪では環境配慮が重視されており、今夏のリオデジャネイロ五輪では建築用木材をFSCなどの認証材の使用を促す調達方針が決められた。東京五輪でも組織委員会が同様の方針を策定中で、環境配慮型調達が一段と広がりそうだ。

▼森林認証制度 自然保護の点で森林が適切に管理されているかを評価・認証する制度。認証森林から産出された木材に特化して製品をつくる工場も認証する。認証製品には専用のラベルを付けて、違法に伐採された木材を使っていないことを証明するのに役立ち、企業が資材を調達するガイドラインに活用する例もある。国際機関が認証活動を行っており、ドイツに本部を置く「FSC」やスイスの「PEFC」などがある。

2016.7.11.付 日経新聞より