4月を迎え新たな体制で動き始めた企業が多い中、日本のトップ企業であるセブン&アイのカリスマ経営者である鈴木会長の突然の退任報道に驚かれた方も多かったのではないでしょうか?
退任に至る直接のきっかけは、セブン-イレブンジャパンの社長人事に関してですが、資本と経営の分離など創業者との関係なども大きな影響を与えたと言われています。しかし、今回の件に限らずカリスマ経営者の引き際と後継者問題は、過去から様々な企業でトラブルを生じさせています。

流通・サービス業など比較的歴史の浅い事業分野を多く抱えているフランチャイズ業界では、カリスマ経営者のもと急成長を遂げている企業が数多く存在します。今回は創業者ではありませんが、グループの中核企業であるセブン-イレブンジャパンを立ち上げここまで育ててきたのは、鈴木氏であり、実質の創業者と言っても間違いではありません。
そして、鈴木氏の年齢から、だいぶ前から後継者がどうなるのかということに関しても注目されていました。しかし、鈴木氏のカリスマ性が高ければ高いほど簡単には後継者を指名するというわけにはいかなかったのでしょう。そして、グループの創業者である伊藤家の意向も無視するわけにはいかず、さらに難しい微妙な問題だったのかもしれません。

しかし、これは何もセブン&アイ特有の問題ではなく、過去、フランチャイズ業界でもマクドナルドやモスバーガーなどでカリスマ経営者が退いた後、いろいろと後継者に関しては問題が起こりました。
私もこれまで多くの企業のお手伝いをしてきましたが、一部の上場企業を除いては、多くが創業社長かその一族の経営する企業です。そして、自分一代で数百店規模のチェーンを作り上げるほどの優秀な経営者であればあるほど、後継者候補の育成には苦労されています。自分の子供を英才教育で育てようとされる方、一族経営ではなく、社員から後継者を育成しようと候補者を選んで育成に向けて努力されている方など方向性は様々ですが、自分自身が優秀であればあるほど、要求レベルは高く、自身を超える人材を見出すことが難しいと感じておられるトップが多いようです。
そして、結果として思ったより長く自身がトップに君臨し、ますます後継者が育たないという悪循環に陥ってしまっているような印象を受けます。
後継者を育成するのは経営トップの最も大切な仕事とは言われますが、カリスマ経営者ほどうまく後継者を育てられないというジレンマに落ちいっているようにも見受けられます。