スーパーバイジング機能|FC本部に必要な機能 -7-

加盟店の繁栄を支えるスーパーバイザー

スーパーバイザー(Supervisor)とは「監督者、指導者、管理者」を意味し、建築現場の監督やコールセンターの管理者などを表す言葉として使われています。
スーパーバーザーは頭文字をとって「SV」という略称で呼ばれることも多いようです。
ほかにも、ビジネスコンサルタント、OFC(オペレーションフィールドカウンセラー)などと呼ばれたりもします。
フランチャイズ・チェーンにおけるスーパーバイザーとは、「加盟店と本部の永続的な繁栄を目的として、加盟店が本部方針に従って正しく運営されるよう、適切な指導、助言、支援、管理を行う本部スタッフ」のことです。
スーパーバイザーは、加盟店の繁栄を実現することが非常に大きな目的となります。
単に本部方針に沿って運営されているかどうかをチェックするだけの人ではありません。スーパーバイザーには、店舗を巡回してチェックリストに基づいて問題点を指摘するというようなイメージがあるかもしれませんが、そうした業務はほんの一部で、加盟店を成長させ経営を安定させるためにオーナーと一緒になって考え、行動する役割を担っているのです。
一方で、本部スタッフとしての立場も重要です。
加盟店が繁栄すればそれでいいというわけではありません。本部が適正な利益を確保できる、ブランドイメージを維持するなど本部スタッフとして守るべきことも多く求められます。

スーパーバイザーの適性と育成

スーパーバイザーは、フランチャイズ・チェーン成功のために非常に大きな役割を担っています。したがって、誰でもがすぐにスーパーバイザーとして活動できるわけではありません。
豊富な知識と経験そして自社業態に対する愛情と業務に対する情熱がなければなかなか成功できません。
スーパーバイザーを育成するためにはその要件を社内で明確にしたうえで計画的に育成していくことが求められます。

SVの資格要件

スーパーバイザーには以下のような資格要件が求められます。
◆ストアマネージャー(店長)かそれに準じる経験者である(業務に精通している)
◆リーダーシップを発揮できる
◆コミュニケーション・ヒューマンリレーション能力が高い
◆経営数値に関する知識を有している
◆高いマネジメント能力を有している
◆フランチャイズシステムに関する知識を有している
◆企画力に優れている
◆加盟店に“NO”が言える
◆常に物事を冷静かつ客観的に判断し評価できる
◆自己啓発を継続できる
これらの要件を満たす人だからといって、明日からスーパーバイザーになれるわけではありません。まず、重要なことは、当該業態に習熟しているということです。したがって、スーパーバイザー候補には実際の店舗での実務経験が求められます。そして、スタートしたばかりの本部では、なかなか時間をかけて育成するという余裕がない場合は、直営店から優秀な店長を抜擢することが最適な方法となります。しかし、優秀な店長を本部に異動させたら、せっかく好調な直営店の業績が下がってしまうかもしれない不安が大きいという理由から外部からの採用や若手人材の登用ということを考えるところもあります。ただ、スーパーバイザーはフランチャイズ加盟店の成功を左右します。従って、ある程度加盟店が増え、スーパーバイザー業務の標準化が進んできた段階で、若手人材を育成していくことが望ましいようです。

スーパーバイザーの育成

スーパーバイザーの育成には、以下のような方法があります。
◆スーパーバイザー候補の現場実習
◆スーパーバイザーマニュアルによる初期研修
◆外部機関等によるスーパーバイザー研修の受講
(例:一般社団法人日本フランチャイズ・チェーン協会のスーパーバイザー学校など)
◆先輩スーパーバイザーによるOJTの実施
これらの方法を複合的に活用し、継続的な教育を行うことによってスーパーバイザーとしてのレベルアップを図っていきます。

スーパーバイザーに求められる「5C+P」とは

スーパーバイザー業務の実際

フランチャイズ・チェーンの成功の鍵を握るスーパーバイザーの業務は、業態の特性やFC本部の方針によって、業務内容が若干異なりますが、共通する部分も多くあります。
ここでは、どんな本部にも共通するスーパーバイザーに求められる機能という視点から、業務の基本を紹介します。
スーパーバイザーには多様な機能が求められます。これらの機能はそれぞれの英語表記の頭文字をとって「5C+P」と呼ばれます。
コンサルティング機能 Consulting
カウンセリング機能 Counseling
コミュニケーション機能 Communication
コーディネーション機能 Coordination
コントロール機能  Control
プロモーション機能 Promotion

近年は、これに「コンプライアンス機能(Compliance,法令遵守)」が加わることもあります。

コンサルティング機能

コンサルティング機能とは、加盟店の経営全般に関するコンサルティングを行う機能です。担当店舗の現状を把握し、問題を抽出することから始まります。
問題とは「あるべき姿と現状のギャップで解決すべき事項」と定義されています。
問題解決に向けた適切な施策を立案し、実行サポートすることで、担当店舗の経営改善を実現することがコンサルティング機能です。

カウンセリング機能

カウンセリング機能は、「加盟店のオーナーや店長の悩みを聞く」ことが仕事と言えます。
「話をじっくり聞いて、理解してくれた上でアドバイスをもらった」と感じてもらえるような「良き相談相手」になることが求められます。

コミュニケーション機能

コミュニケーションのスキルは、スーパーバイザーに最も求められる能力と言えます。一般にスーパーバイザーが実施するコミュニケーションには次のようなものがあります。
①情報提供
②情報収集
③方針徹底
④依頼
⑤クレーム対応
⑥相談
これらを円滑に行うためには、コミュニケーションの基本的手法を理解して活用することが重要になります。その上で、本部と加盟店間の双方向のコミュニケーションルートを確立することもスーパーバイザーの大きな役割です。
また、本部と加盟店間のコミュニケーションには様々な手段があります。それらの手段を効果的かつ効率的なものとして、FC本部が独自に構築していくことも非常に重要です。

コーディネーション機能

コーディネーション機能は調整するという機能です。
加盟店で問題が生じたとしても、すべてをスーパーバイザー一人で解決するのが困難な場合も多いのです。そこで、本部の上司や他部門のスタッフ、外部の専門家などの協力を得る必要が発生します。そのような場合に、調整を行って協力を得るといったことがこの機能の意味するところです。

コントロール機能

コントロール機能は「点検および統制」機能と言い換えることができます。
つまり加盟店が決められたとおり、あるいは計画通りに運営されているか絶えずチェックし、問題があれば是正措置を講じる機能を指します。

プロモーション機能

最後はプロモーション機能です。プロモーションとは販売促進のことを指します。
通常フランチャイズ本部では、チェーン全体の販売促進を計画的に実施します。
ただ、スーパーバイザーの機能として求められるプロモーション機能は、加盟店が個別に広告や販売促進を実施する場合のサポートすることを言います。

まとめ

スーパーバイジング機能では、まずスーパーバイザーという職種にフォーカスして、資格要件、育成、そしてFC本部の機能、役割を「5C+P」で解説しました。

新しくフランチャイズ展開を始めようとする本部、フランチャイズのご相談で「スーパーバイジングをしないといけないですか?」「スーパーバイジングはしない方向で考えています」という話もよくいただきます。

ただ、長く生き残ってきたフランチャイズ本部の多くは、スーパーバイジングを通じて加盟店を手厚くサポートしてきたということも事実です。訪問の頻度、指導、支援する内容は、業種業態、フランチャイズの仕組みなどによって様々ですが、加盟店が長く繁栄していくためのサポートはしっかりと考えることがとても大事なのです。

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