フランチャイズ本部の「成功の七つの鍵」を磨くためのポイント

フランチャイズ本部の「成功の七つの鍵」を磨くためのポイント

フランチャイズ本部の「成功の七つの鍵」を磨くためのポイント

フランチャイズ事業を成功に導くためには、フランチャイズ・パッケージが保持すべき、7つの「成功の鍵」の全体像を別のページでご紹介しました。この「成功の七つの鍵」とは、「収益度」、「差別化度」、「拡大度」、「ノウハウの非属人度」、「社会的有用度」、「理念の共有度」、「契約の明快度」のことでした。
今回は、「成功7つの鍵」のそれぞれをもう少し詳しく解説していきます。

「魅力的な収益度とは」

フランチャイズチェーンに加盟するということは、事業を行うということです。
したがって、彼らが最も関心を寄せるのは、「どのくらい儲かるのか」ということです。
「フランチャイズチェーンは本部ばかり儲かって加盟店は忙しいだけであまり儲からない」等と言われることがありますが、実際に本部だけ儲かって加盟店が儲からなければそんなチェーンが長続きするはずはありません。つまり、フランチャイズ・チェーンとして成功するためには加盟店が魅力を感じるような収益性が確保されることが最も重要な要件となるのです。
しかし、収益性の魅力度というのは、業態によってもかなり異なります。
したがって、ここでは細かな業態による違いを超えて、収益性の魅力度を判断するいくつかの基準を紹介します。

投資回収はできるだけ早く!

魅力ある収益性を判断する第一の基準は、投資回収期間です。
フランチャイズチェーンに加盟すると、有店舗型のビジネスにおいては、少なくとも数百万円から、規模が大きくなると数億円規模の初期投資が必要となります。ビジネスにおいては、投資を出来るだけ早く回収して安定した利益を確保し、更に回収した資金を再投資して事業拡大を目指すというサイクルの確立が求められます。したがって、どれだけ短い期間で初期投資を回収できるかということが収益性の魅力度を判断する基準となります。
最近は店舗を取り巻く環境変化のスピードが非常に速くなっています。したがって、投資回収期間もどんどん短縮化しています。以前だったら5~7年位かけて回収できればいいよ、という感覚でしたが、最近では2~3年程度で回収できなければ魅力が無いと言われています(注)。
(注)ここでは、投資回収期間は、初期投資金額(保証金、店舗取得費除く)を償却前営業利益で除して計算する。

営業利益率は二桁以上を

初期投資額が比較的少額の業態(無店舗や小型事業所型のサービス業など)においては、投資回収は数ヶ月で済んでしまうということもよくあるので、投資回収期間だけでは収益性の魅力度は判断できません。
そんな場合は、営業利益率が判断の目安となります。初期投資額の比較的小さいサービス業などでは、売上規模があまり大きくないこともあって、ある程度高い利益率が確保できないと加盟する魅力が薄れてしまいます。したがって、そんな場合は、最低でも二桁(10%)以上の営業利益率を確保できる水準の損益構造を構築することが必要となります。
そして、この基準はロイヤルティ支払後の数値です。
つまり、直営店では10数%以上の営業利益率を達成していることが要求されると考えてください。

サラリーマンより年収は多くないと

フランチャイズ加盟には、法人加盟と個人加盟があります。コンビニエンスストアでは個人加盟が多く、レストランなど比較的大型の外食は法人加盟が多いというような傾向があります。
一般的には初期投資額が比較的小さい業態は個人、大きなものは法人が多い傾向が強くなっています。そして、個人加盟の場合は加盟オーナーが自身で店舗を運営するというスタイルが一般的です。
また、個人加盟の場合は脱サラ組と呼ばれるサラリーマンからの転進組が中心となります。
そこで、彼らがサラリーマンを辞めてまでフランチャイズ加盟を検討するかどうかということが、収益の魅力度を判断するひとつの基準となります。
フランチャイズチェーンに加盟すると、通常はサラリーマン時代の何倍も働かなければ成功できないと言われています。しかしながら、労働時間は長くなる、収入はダウンしてしまうというのでは、誰も加盟しようとは思いません。
脱サラ組が、安定したサラリーマン生活を捨ててでも加盟してみようと考える水準の収入が得られるような収益性を実現して、初めて、多くの加盟者を集めることが出来るのです。
休みなく働いて年収が300万円~400万円などというような水準では、魅力ある収益性が実現できているとは言えません。
標準損益モデルで、オーナーの収入が1千万円を超えるくらい魅力ある収益構造を作れれば、本部としても一気に成功シナリオが描けるということになるのです。

「差別化度(競争力)を測る」

多くの競合に打ち勝つために

限られたエリアだけで数店舗直営展開している場合などは、限られた競争相手しかいない、殆ど競合が存在しないということもよくあります。そんな場合は、それほど競合との関係を考慮しなくても、永年にわたって存続することも可能です。
しかし、フランチャイズチェーンの場合は、一般的には全国津々浦々に多くの店舗を展開することになります。そうすると今まで出会ったことのない競合と争わなければならなくなったり、出店したら必ず競争相手が近隣に出店してきたりということが起こります。
そして、他社と明確に差別化されたポイントを持っていないと競合が出現すると同時に売上が30~40%ダウンして、殆ど回復しないという場合もよく見受けられます。コンビニ業界などでは、中小チェーンの近隣に大手チェーンの店舗が出店すると売上が半減などということは日常茶飯事です。
したがって、フランチャイズチェーンとして成功するためには数多くの競争相手に打ち勝てるような差別化ポイントを保持する、つまり競争力を持つということが絶対条件となります。

商品力を磨く

差別化ポイントを保持するために最も大切なポイントは、商品力を磨くということです。
どこででも買えるような商品しか品揃えしていないと、競合店が現れるとすぐに売上がダウンしてしまいます。したがって、そこでしか買えないものがあるかどうか、が差別化のためには最も強力な武器となります。
もっと分かりやすく言うと、いわゆる「名物商品」があるかどうかということです。
たとえば、コンビニエンスストアは、当初ナショナルブランド商品を定価販売していたため、商品による差別化は品揃え面だけでした。しかし、最近はPB商品の開発や金融サービスの強化など他店にない商品・サービスを提供することで商品面での差別化を推進しています。
セブン-イレブンの“おでん”などはその代表選手と言えます。食品会社でもないのに今では、おでんと言えばセブン-イレブンと答える人が非常に多くなっています。

営業ノウハウはあるか

商品力と並んで重要なポイントは営業力です。
他社にない販促施策や広告宣伝によって確実にお客様を獲得できるか?有店舗型の場合は、店舗の構造やオペレーションに独自ノウハウがあるかどうかというようなことがポイントとなります。
たとえば、学習塾でチラシ○○万枚新聞折り込みを実施すると生徒が△△人獲得できるノウハウを有している、郊外型のハンバーガーショップにドライブスルーが設置されているなどが営業面での差別化ポイントとして挙げることができます。

独自のマネジメントサポート力は?

フランチャイズチェーンにおいては、本部が加盟店の経営全般をサポートするということが求められます。
加盟店は経営面でのわずらわしさから開放され、営業に専念できることが成功のためには不可欠です。したがって、加盟店の経営面でのサポートやコミュニケーションシステムに関して独自のノウハウを有し、加盟店の負担をできるだけ少なくできるシステムを確立できているかどうかも、フランチャイズチェーン成功にとっては重要なポイントとなります。
実際に、コンビニエンス業界では、大手チェーンは数年に一度数百億円規模の投資を行って情報システムの刷新を図って、マネジメントサポート力の強化を推進しています。

ブランド力が最強の差別化ポイント

フランチャイズチェーンにおいては、直営店も加盟店も同一ブランドの下事業を展開しています。したがって、ブランドの浸透によってお客様に安心感を与え、お客様の来店を促進できることが、フランチャイズチェーンにとっては最も大切なことです。
つまり、ブランドの浸透度が高い、ブランドイメージが好意的に捉えられているなど総合的に業界一のブランド力を作り上げることこそがフランチャイズ・チェーンにとっては最も重要な要件となります。

「拡大度を高める」

フランチャイズチェーンは、短期間で多店舗化を実現することが、その成功のためには不可欠です。そして、そのためには業態そのものが、多店舗化に向いているかどうかが成功の鍵とも言えます。
多店舗化に向いている業態というのは、加盟店の数が増えることがチェーン全体に大きく貢献するような業態を指します。
例えば、コンビニエンススストアのように、店舗数が増えることでお客様に安心感を与え、商品の取扱い量の増加に対応してコスト削減が可能になるというような業態が、フランチャイズチェーンには向いています。
一方、創業何百年の老舗企業が、事業拡大のためにやみくもにフランチャイズ展開で店舗を増やして、結果としてブランドイメージを落としてしまうということもあります。
こんな場合は、その業態はフランチャイズ展開には向いていないと判断できるのです。

商圏は小さい方がいい!

多店舗化するということは、店舗の数が増えるということです。日本には乳幼児から高齢者まで併せて約1億3000万人が住んでいます。100万人で一店舗しか成立しないような業態であれば、全国で130店舗以上は作れなくなってしまいます。
そこで、ターゲットとする対象人口を少なくする、要するに狭い商圏でも成立する業態を確立することが、多店舗化への第一歩となります。
「商圏を狭くしたら、儲かる可能性も減る」と考える方もあるかもしれません。しかし、比較的小さな商圏でも確実にターゲットの心をつかみ、何度も来店いただけるお客様になってもらえば、しっかりと収益を上げる構造を作ることは可能なのです。

適応立地は多い方がいい

先ほどの例ではありませんが、単純計算で考えます。たとえば1万人をターゲットとする業態の場合、1万3千店程度の店舗を日本全国に作れる計算になります。しかし、1万3千店作れるとは言っても、出店可能な立地に制約がある場合があります。
例えば、駅の改札口の近くでしか成立しない、繁華街の1階フロアにしか出店できないなど、業態によって出店立地には多くの制約があります。したがって、単に小さな商圏で成立するだけでは実際に出店できる場所が限られてしまって、結果として期待した店舗数が展開できないということになってしまいます。
そこで、必要なのが出店可能な立地タイプを増やすということです。
駅前商店街から繁華街立地、郊外型からショッピングセンター内など、できるだけ多くの立地タイプで出店できるようになることで多店舗展開が容易になるのです。しかし、出店立地が異なれば店舗の形態や商品構成、オペレーション方法など全て同じで成立するというわけにはいきません。
ハンバーガーショップが郊外店ではドライブスルーの機能を付加したり、カフェや居酒屋チェーンが郊外で出店する場合は、フードメニューを増やして、ファミリー層にまでターゲットを広げたりしています。
このように、適応立地の多様化を推進するためには単に色々な場所に同じ店舗を展開するというわけではなく、立地に適応して業態を変化させることも求められます。

投資金額が小さいほどよい

商圏が小さくて、適応立地も多様化されていれば、多店舗化の要件は揃います。しかし、初期投資に数千万円もかかるような業態は、加盟希望者が限られてしまいます。
多額の初期投資がかかっても高い収益性が確保できていれば、事業に取り組もうという希望者は現れます。しかし、あまり多額な投資額になると実際にはほんの一握りの資金に余裕のある法人のみが対象となってしまいます。したがって、短期間で多店舗化するためには、初期投資額が比較的抑えられた業態の開発や初期にかかる費用を低減するための選択肢を用意するなどが必要となります。
たとえば、店舗の標準化を進めて建設コストの低減を図ったり、コンビニエンスストアでよく見受けられるターンキー制度(注)の活用などで初期費用の低減を実現したりという例があります。

(注)本部が店舗を用意して、加盟者は鍵を受け取ればすぐに開店できるという制度。店舗の設置に関わる費用は全て本部負担のため加盟者の初期投資額が低く抑えられる。

「ノウハウの非属人度は確保できているか」

短期間でノウハウ修得ができるか

フランチャイズチェーンでは、加盟店がその事業を運営するのは初めてというケースが一般的です。したがって、素人の方が短期間でその運営ノウハウを身につけることができて、初めて、フランチャイズチェーンが急速に拡大することができるのです。したがって、ノウハウの習得に何年も要するようでは、フランチャイズチェーンとしての成功は難しいと言わざるを得ません。

フランチャイザーとして成功するためには、はじめてその事業を運営する人でも短期間でその運営ノウハウを修得できるような仕組みを作り上げることが不可欠です。

ラーメン店などでは、現場で修行してスープの取り方から焼豚の作り方や麺打ちまで完全に修得するのに2~3年をかけて、その後独立するというチェーンがあります。
それも独立の一つの形態としては有効です。
しかし、一人の人が開業できるまでに何年もかかってしまうようでは、短期間に多店舗化を実現することは困難です。

ノウハウ習得に長期間要する場合、加盟希望者は事業開始までの生活費を準備しなければならない、法人加盟の場合は準備期間中の給与負担が生じるということも大きな負担となってしまいます。
フランチャイズチェーンへの加盟は時間を買うと言われているようにスピードが最も重要な要件となります。したがって、開業前のノウハウ修得の期間は、どんなに長くても半年くらい、できれば1~2週間でそれが実現できることが求められるのです。
そして、そのためには、短期間でノウハウ修得が可能な教育システムの確立が必要となります。

職人不要のシステムができているか

以前は寿司というのは特別な食べ物でした。それが回転寿司の登場によって、比較的いつでも食べられるようになりました。もちろん、回転寿司のお店でも、職人さんが握ってくれる店もあります。しかし、寿司職人の代わりに寿司ロボットが握っているというのを見たことはないでしょうか。宅配寿司チェーンなどは、寿司ロボットを活用することで多店舗化を実現しているところも多いのです。

たとえば回転寿司チェーンのすべての店舗で、職人が必要だったとしたら、店舗をどんどん増やすのは難しいでしょう。まず、職人捜しが大変です。
せっかく条件のいい場所を見つけたとしても、職人がいないために、開店することができないということだって起こり得ます。
フランチャイズチェーンは急速に店舗展開することがその成功には不可欠です。しかし、職人頼みの仕組みになっていると、職人を確保することができなければ開業できなくなってしまいます。そうすると、計画的に短期間で出店していくことが困難になってしまうのです。

そんなことにならないために、フランチャイズチェーンで成功するためには、職人・専門家不要のシステム作りが不可欠となります。要は、何年も修行した人が存在しないと運営できないような仕組みではフランチャイズチェーンとして成功することが難しいということです。

そのためには、ノウハウを非属人化するということ。簡単に言えば、誰でもが比較的容易にその運営ノウハウを修得することができるようにすることが求められます。そして、研修システムの充実、期間短縮だけではなく、機械化や新技術の導入などがその実現には非常に有効となる場合もあります。

先ほど紹介した寿司ロボットだけではなく、フードサービス業では、冷凍、冷蔵技術の発達や調理機器の進歩によって今までプロの範疇だった厨房作業が一気に素人でも比較的簡単にこなせるようになってきています。
プロがいることが売りになるわけではなく、素人でもできることを売りにするのがフランチャイズチェーンの成功の鍵となるのです。
そして、従来フランチャイズ化が困難だと思われてきた業態でもこうした新技術などの発明によってフランチャイズ展開が急速に進むこともあるのです。

「社会的有用度はどうか」

フランチャイズ・ビジネスは地域密着型のビジネスです。したがって、地域の皆様に受け入れられて初めて成功が保証されるのです。フランチャイズ・パッケージ自体が地域社会に受け入れられる要件を備えていることが成功のためには必要となります。

地域密着がフランチャイズ・ビジネスの原則

フランチャイズ・ビジネスは年々成長を遂げ、日本社会においてなくてはならない存在になっています。その背景には、フランチャイズ・ビジネスが地域住民の生活にすっかりとけ込んでおり、さらに雇用面でも地域社会に対して大きな貢献を果たしているということがあります。

さらに、近年は被災時の支援にも関心が集まっています。災害時にコンビニエンスストアなどをエイドステーションとして被災者支援に利用する動きも広がっています。つまり、フランチャイズチェーンの店舗が社会インフラの一翼を担っている存在になってきているのです。

また、フランチャイズチェーンは多くの雇用を生み出しています。加盟店オーナとして成功を収める、パート・アルバイトとして店舗で働くなど、様々な形態がありますが、フランチャイズチェーンの加盟店が各地で出店することで多くの雇用を生み出しています。

特に地方では、数少ない雇用の受け皿としての役割を果たしています。そして、地方では、多くの商店街がフランチャイズ加盟店のおかげでかろうじて町の体裁を保っているというようなところも少なくありません。従来の事業では存続できない商店主などにとっては、フランチャイズチェーンが救世主になっている場合も多いといえます。

地域の嫌われ者にならない

フランチャイズチェーン成功の鍵は、地域密着型の営業です。つまり、地域に愛されないと成功がおぼつかないということです。当然地域の方に嫌われるような存在であれば成功するはずがありません。たとえば、住宅街で風俗店やアダルトショップなどを出店しては、主婦やお母さんたちに嫌われてしまします。フランチャイズチェーンにおいては、公序良俗に反するような業態は向いていないということです。

また、店舗のデザインでも嫌われ者になる可能性を秘めています。閑静な住宅地に金ぴかのビルや看板を設置したのでは、地域の嫌われ者になってしまいます。

最近では、街の景観に配慮した看板や店舗デザインを推進したり、環境にやさしい店づくりなど社会にやさしい店づくりを行うチェーンも増えています。

「理念の共有度」

フランチャイズチェーンは「理念共同体」とも呼ばれています。フランチャイズチェーンは同一ブランドの下、多くの加盟店が同一イメージで同じ業態を展開することで成立します。したがって、単に「儲かりそうだから」というような理由だけで、お互いに資本関係のない者同士が永年にわたってブランドイメージを維持しながら事業を継続していくということは非常に困難を伴います。そして、そのためには、フランチャイザーもフランチャイジーも共通の理念に則って同一イメージを維持する努力を怠らずに経営していくことが成功のためには不可欠となります。

理念体系とは

フランチャイズチェーンに於いては、加盟店が本部の理念を理解、共鳴した上で加盟を検討してもらえるように、直営のみのチェーンに比べて理念を体系化し、明文化することが求められます。
理念体系は以下の四つ要素で構成されています。

事業コンセプト規定

事業コンセプト規定とは、フランチャイズ展開する事業の基本的な概念を明確にするということです。たとえば単に「飲食業」とか「運送業」とか「建設業」ということではなく、事業展開エリアや核となる取り扱い商品やサービスを比較的具体的かつ機能的に表現したものを指します。
本部の将来の事業展開の方向性を加盟希望者に理解してもらうためにも将来の環境変化に適応できるようなある程度の拡がりを持った定義が好ましいと言われています。

存在価値規定

自社が社会に対してどんなベネフィット(便益)を提供するかを規定したものです。自社の社会における存在価値を明確にし、組織構成員全員が誇りを持って働けるようなものが求められます。フランチャイズチェーンは地域密着型のビジネスが一般的です。従って、その存続のためには地域社会にどのような貢献を果たすのかということを明確にして加盟希望者だけではなく、チェーンを取り巻く多くの人たちにその存在価値に共鳴してもらうことが成功には不可欠となるのです。

経営理念規定

経営理念とは、事業コンセプト規定・存在価値規定に基づいて、どういった方針と姿勢で企業や本部を運営していくかを明確にしたものです。主として組織構成員に向けて発信し、意思の統一や一体感の醸成を目的としています。

また、経営理念に基づいて組織構成員が日常の行動や判断の際に基準とすべき規範を示したものを行動規範といいます。社是や社訓という形で明文化されている場合も多く、フランチャイズチェーンに於いては、従業員だけではなく、加盟店オーナー、従業員の行動指針となるように分かりやすく明文化されている場合が多いようです。

チェーン化の目的

最後に、理念体系の中でフランチャイズチェーン独自のものとしてチェーン化の目的があります。理念なき事業展開なのか、フランチャイズチェーンとして展開する必然性が感じられるかは、加盟希望者にとっては重要なポイントとなります。したがって、フランチャイズチェーンとして成功するためには、加盟希望者に共鳴してもらえるような魅力的なチェーン化の目的を明示することが求められます。

以上の理念体系の明確化とともに、フランチャイズ・ビジネスの成功に欠かせないものは、組織構成員が共有できる目標の設定です。
可能な限り具体的な目標設定が必要です。
たとえば、5年後、10年後といった中長期の具体的な経営目標を設定し、組織構成員全員がその目標に向かって最善を尽くす状況を作るということも重要になります。もちろん、フランチャイザーの経営目標は社員に向けてだけではなく、フランチャイジーにも魅力的で夢のある内容でなければ共鳴してもらえません。

大切なのは、理念体系を明確にし、組織構成員全員への浸透・共鳴を徹底し、夢のある将来目標に向かって全員が努力を続けられるサイクルを築くことです。そして、それこそが、理念共同体と言われるフランチャイズチェーン成功の第一のステップとなるのです。

「フランチャイズ契約内容が具体的で明確か」

フランチャイズチェーンは、フランチャイザーとフランチャイジーがそれぞれの役割を分担することで成立しています。そして、その役割を果たすに際しての決め事を明文化したものがフランチャイズ契約書です。つまりフランチャイズチェーンにおける憲法のようなものです。したがって、その内容を見ればその本部のフランチャイズチェーンを運営していく基本的な考え方や具体的な施策レベルが分かります。つまり、フランチャイズ契約書は、フランチャイズチェーンの完成度を測るメジャーともいえるのです。

本部と加盟店の権利と義務は具体的か

フランチャイズチェーンでは、本部と加盟店はそれぞれ資本関係も雇用関係もあるわけではありません。つまり、フランチャイズ契約に基づいた契約関係があるだけです。したがって、契約内容には、お互いの具体的な権利と義務について詳細にわたる規定が必要となります。
フランチャイズ契約で規定されるものには以下のような項目があります。

・金銭規定
・本部の権利と義務
・加盟店の権利と義務
・契約期間と更新、解除など

金銭規定には、加盟時に支払う加盟金や保証金、研修費などが規定されます。単に金額だけではなく、本部サポート内容との整合性をきちんと規定することが求められます。更に、加盟後定期的に支払う金銭ではロイヤルティやシステム使用料などがあります。本部が提供する支援内容と本部、加盟店両者の収益構造を勘案して決められるものです。したがって、単にロイヤルティ○%という規定だけではなく、本部支援内容の明確化も求められます。

金銭規定以外にも、本部の権利、義務も具体的に規定することが必要です。
スーパーバイザーの訪問頻度や研修期間なども具体的に明示する必要があります。単に定期的に訪問するというような表現や開業前研修を実施するという内容だけでは不十分です。しかし、レベルの低い本部では、具体的に規定できるだけの本部体制もなければ、その裏付けもない場合があります。更に加盟店の権利、義務に関しても具体的な規定が必要です。本部への報告項目や頻度なども仕組みが整っていないとなかなか具体的な規定が難しくなります。

つまり、フランチャイズ本部として具体的に本部支援サービスが規定されており、本部運営の仕組みが実際に稼動していることがフランチャイズチェーン成功には不可欠となります。したがって、フランチャイズ契約が具体的で明確に規定できないような本部は、成功が難しいということです。

契約内容にオリジナリティがある

フランチャイズ・システムは、フランチャイズ本部の理念とビジネス・パッケージとともに、フランチャイズ・パッケージを構成する重要なものです。したがって、フランチャイズチェーン成功のためには、フランチャイズ・システムが理念とビジネス・パッケージの内容を十分に反映したものであることが求められます。
そして、フランチャイズ・システムの内容を明文化したものがフランチャイズ契約書です。したがって、フランチャイズ契約書には、それぞれの本部独自のフランチャイズ・システムの内容が反映されており、その内容はそれぞれの本部で大きく異なるはずです。
先行する同業他社の契約書を入手して、ブランド名と金銭規定を若干修正して契約書を作成するというようなことでは、フランチャイズチェーンとしての成功は難しくなります。
つまり、フランチャイズ契約の内容にオリジナリティがあり、その内容が理念とビジネス・パッケージに従ったもので自社独自の内容になっていることがフランチャイズ本部として成功できるかどうかの鍵を握っているのです。

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