失敗しないためのフランチャイズ加盟 9ステップ

失敗しないためのフランチャイズ加盟 9ステップ

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フランチャイズビジネスとは、フランチャイズシステムという経営システムを用いて多店舗化を実現する事業すべてを総称しています。
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会では、フランチャイズビジネスを次のように定義しています。

フランチャイズとは、事業者(「フランチャイザー」と呼ぶ)が、他の事業者(「フランチャイジー」と呼ぶ)との間に契約を結び、自己の商標、サービス・マーク、トレード・ネーム、その他の営業の象徴となる標識、および経営のノウハウを用いて、同一のイメージのもとに商品の販売その他の事業を行う権利を与え、一方、フランチャイジーは、その見返りとして一定の対価を支払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導および援助のもとに事業を行う両者の継続的関係をいう。

ここでは、フランチャイズの加盟希望者がフランチャイズ加盟で失敗しないためのステップを9つに分けて考えてみます。
加盟希望者の視点を考えることで、FC本部にとって大切なこと、フランチャイズ本部構築がどうして重要なのかなども見えてくると思います。

【Step 1】フランチャイズ加盟が最適か?

フランチャイズ加盟で失敗しないためのステップ1として、加盟を検討する前の心構えについて考えてみます。
フランチャイズシステムをあまり理解せず、新しい事業へ参入する覚悟が希薄なままフランチャイズ本部へ加盟しても、成功の確率は低いと言わざるを得ません。
フランチャイズ本部の検討を始める前に、以下の点を十分に理解、認識しましょう。

Step 1 - 1.自分の夢を明確に思い描く
Step 1 - 2.フランチャイズ加盟のメリットを理解する
Step 1 - 3.フランチャイズ加盟のデメリットも知っておく
Step 1 - 4.トラブルの原因を知って回避する

Step 1 - 1. 自分の夢を明確に思い描く

フランチャイズ加盟で成功するために、最も大切なのは「夢を持つ」ことです。
フランチャイズ本部への加盟は、独自で新しい事業を立ち上げるのに比較すると失敗する確率ははるかに低いですが、成功に向けては多くの困難が伴います。
事業で成功を収めるには、夢の実現に向かってがんばる気持ちが最も大きな力となります。だからこそ、まず最初に考えてみましょう。

「あなたの夢は何?」

Step 1 - 2. フランチャイズ加盟のメリットを理解する

事業成功の確率が高い

フランチャイズ加盟による事業展開は、独自で新規事業を立ち上げるのに比較するとその成功確率は高いと言われます。それは次のような理由によります。

①フランチャイズ本部の提供する業態は、過去の成功実績に基づいている
②事業の立ち上げから運営までのノウハウが標準化されている
③知名度が高い。または知名度アップが速い
④コスト競争力が高い

事業展開にスピードをつける

私たちを取り巻く環境は、信じられないスピードで変化します。
「企業は環境適応業である」と称されるように、21世紀の勝ち組となるには、事業展開そのものにスピードをつけなければなりません。
その点、フランチャイズビジネスであれば、加盟を決めれば、業態によっては早ければ明日から、どんなに遅くても数ヵ月後には事業を開始できます。
すなわち、フランチャイズ本部への加盟は時間を買うことにもつながり、事業展開にスピードをつけることができるのです。

ストック型からフロー型経営への転換

フランチャイズに加盟すると、日常の運営だけに専念することができます。
新商品の開発や広告宣伝は本部が担当してくれるため、余計な人材や設備を持たず、在庫も必要最低限で済みます。非常に身軽な経営が行えるのです。
多くの人材を抱え、多くの資産を持つことが優れた企業である時代は終わりました。これからは、いかにキャッシュをハイスピードで回転させていくかが問われる時代です。
フランチャイズへの加盟は、そんな時代に最適な選択となります。

地域社会への貢献

地域経済の活性化と雇用の促進なしに、日本経済の発展は実現しません。その意味でフランチャイズチェーンの加盟、出店は、地域経済の活性化に大きな役割を果たしていると言えます。
またフランチャイズチェーンは、各地で崩壊した商店街の復活にも一役買っています。
地元での雇用を作りだしているのも、多くのフランチャイズチェーンです。地域に根ざした企業活動を継続するためには、フランチャイズ本部への加盟が大きな力を発揮するのです。

Step 1 - 3. フランチャイズ加盟のデメリットも知っておく

本部の指導・統制に従わなければならない

フランチャイズチェーンは、すべての店舗が同一イメージで事業展開を行うことが基本です。したがって、本部の指導や統制のもと、一定の制約を受けながら事業活動を行わなければなりません。
フランチャイズ本部に加盟するということは、オーナーにとって経営の自由度を奪われるものだという認識が必要となります。フランチャイズ本部には加盟したいが、運営は自由にやりたいということは、原則として許されないのです。

フランチャイズフィーの支払いが発生する

フランチャイズ本部に加盟すると、加盟金やロイヤルティなど、一定の金銭を本部に支払わなければなりません。
FC本部から運営に関するノウハウを提供してもらい、そのFC本部のブランドを使用して事業活動を行うのですから、こういったフランチャイズフィーの支払いは当然の対価といえます。
加盟してから「フランチャイズフィーが高くてぜんぜん儲からない」と嘆かないために、FC本部に支払うフランチャイズフィーと提供されるノウハウやブランド力を冷静に比較する必要があるのです。

契約終了後も一定期間同業態の営業が禁止されている場合が多い

「競業避止義務」という言葉があります。
これは、契約期間中は当然のこと、契約終了後も一定期間同業態を運営してはいけないという規定です。
「フランチャイズ本部に加盟してノウハウを手に入れたら、すぐ脱退して別ブランドで同じ事業をやれば、ロイヤルティも払わず、面倒な規制も受けない……」などということは、できないようになっているのです。

Step 1 - 4.トラブルの原因を知って回避する

マスコミやネットで、フランチャイズ加盟にまつわるトラブルがいくつか報告されています。それだけフランチャイズビジネスが一般に認知されてきた証明ともいえるのですが、実際問題として市場規模の拡大に伴って、多くのトラブルが起こっているのも事実です。
フランチャイズ加盟で失敗しないためには、トラブルの原因を把握し、そういった状況に陥らない対応が求められるのです。
そこでここでは、どういった原因でトラブルが起こるのかをいくつかに集約してみます。

加盟店サイドの原因

●加盟しさえすれば成功するという思い込み

近隣に繁盛しているお店があり、同じFC本部に加盟して開業すれば必ず成功できるという思い込みを持って、加盟するような場合。
開業後に大した努力もしないのであれば、どんなに素晴らしい本部に加盟しても成功するはずがありません。フランチャイズ加盟で成功するには、当初の1~2年は死にもの狂いの努力が要求されるものなのです。

●経営者としての自覚を持っていない

フランチャイズ加盟を転職と同じように捉えている場合。
フランチャイズ加盟といえどもサラリーマンとは180度立場は変わり、経営者としてすべて自分の責任で判断して行動しなければなりません。
そういった自覚を持たずに本部にやらされているという感覚では成功するはずがない。

●自分流のやり方に固執する

フランチャイズ加盟で成功するには、FC本部の指導に従うことが基本です。
それを「商売経験は自分のほうが長いから、FC本部の言うことは聞いていられない」という場合。
自分流の方法が正しいと思うのなら、フランチャイズ本部に加盟すべきではありません。フランチャイズビジネスの本質は、店作りから品揃え、販売方法に至るすべてを本部の定めた通りの方法で運営することです。
FC本部の指導に従わずに自分勝手なやり方をして成功するはずがないのです。

●他事業に資金を流用する

フランチャイズ本部に加盟、開業してうまく軌道に乗った場合、新しいビジネス展開を図りたいという欲求が生まれるのは間違ってはいません。
しかし往々にして、利益が出たからといって、むやみに新規事業に手を出したり、いろいろな投資にお金をつぎ込むと、本業の資金繰りに悪影響を与える場合があります。
一攫千金を夢見て、せっかくの成功を手放さないようにしてください。

フランチャイズ本部サイドの原因

●競争力、収益力のない本部

フランチャイズ本部の提供する業態が、すべて収益性の高い、競争力のあるものであるという保証はどこにもありません。
本来、成功実績に基づいた業態のみがフランチャイズ展開を許されるのだが、現実は必ずしもそうはなっていないのです。
成功実績のないFC本部に加盟しても、成功する確率が低いのは当然です。
予測通りの売上が達成されない、利益が出ないといったトラブルが起こるのは当然の帰結なのです。

●多店舗化に向けたインフラ整備が不足している

数店舗の規模で事業展開していたり、直営店のみでチェーン展開している場合と、数十店舗以上の規模でフランチャイズ展開している場合とで、FC本部に求められるインフラ整備は全く異なります。
FC本部に求められるインフラ整備しないまま店舗数が増えてしまうと、加盟店が求めるレベルのサポートを提供できない場合が生じてしまいます。
フランチャイズ展開に際しては、その規模にふさわしい本部体制が不可欠なのです。

●環境変化への適応を支援できない

フランチャイズ展開を始めて数年経過すると、それぞれの店舗を取り巻く環境が大きく変化する場合があります。
立地が変わった、競合店が進出してきたなどに応じて、FC本部が適切な手を打てなければ、店舗は衰退してしまう危険性があります。
フランチャイズ本部には、加盟店を永続的に繁栄させつづけるために、環境変化に対して適切な支援のできる機能が求められるのです。

【Step 2】FC本部と出会う

Step 2 - 1.本部選びの基準を作る

フランチャイズに加盟することは決めたものの、どのFC本部へ加盟するかは全く白紙という場合がよくあります。
そんなとき、やみくもに雑誌や新聞で「どこか良いところはないかなあ」と探しても、そんなに都合よく自分にふさわしい本部とは出会えません。
自分にふさわしいFC本部と出会うためには、まずFC本部を選ぶための基準を作っておく必要があります。そして、その基準に照らし合わせていくつかのFC本部をピックアップし、最終的に絞り込んでいくのが最も効率的です。
次に本部選びの基準を作る際の視点を挙げてみます。

自社(自分)の能力と資源を生かす

フランチャイズ加盟といえども、個人や企業が現在持っている能力や資源が生かせる事業のほうが成功の確率は高くなります。そこで、まず自分たちの持っている能力や資源にはどのようなものがあるかを明確にすることが必要になります。
そのためには、次に挙げる項目を整理してみましょう。

能力……営業力、技術力、経営管理能力、その他の資格など
資源……不動産、資金、人材、人脈など

自分たちが「惚れられる」業態か、商品・サービスか

どんな事業でも自分(企業の場合は責任者)が、その事業や商品・サービスに惚れていなければ成功しません。
好きでもないのに、何となく儲かりそうだとか投下資本が低いといった理由だけでフランチャイズ本部を選ぶと、結果的にはうまくいかないものです。
「好きこそものの上手なれ」と言われますが、自分でやる事業をそれほど気に入っていないなら、成功は難しい。その事業に惚れて初めて、成功までの苦労に耐えられるのです。

準備できる資金に見合っているか

新規事業進出の際の最も大きな制約の一つは資金です。フランチャイズ加盟に関しても同様です。したがって、気に入ったフランチャイズ本部があったとしても、準備できる資金に見合わなければあきらめるしかありません。
そのため、まずはじめに用意できる資金の総額を算定し、その範囲で本部選定を行うのが効率的です。
必要資金に関して注意すべき点は、以下の通りです。
①事業をスタートしてから軌道に乗るまでの期間の資金繰りも考慮する
②本部が提示する売上予測より202~30%3程度安全を見越して資金調達を考える

Step 2 - 2.フランチャイズ本部と出会うための情報収集

フランチャイズ本部を選ぶ際の基準が決まったら、次はどんな本部があるのかを調べましょう。フランチャイズ本部の情報は、インターネットや雑誌などのメディア、あるいは展示会を通じて集めることが可能できます。

【Step 3】最適なFC本部を見極める

Step 3 - 1.フランチャイズ本部を見極める6つのポイント

成功へのステップ2で記した条件に沿って、いくつかのフランチャイズ本部をピックアップした後、成功確率が高い本部を判定する基準が必要となります。
ここでは、FC本部選びの際に留意すべき6つのポイントを紹介します。

将来性を見極める

まずは、本部の将来性を見極めましょう。
これまで急速に成長していても、今がピークということはよくあることです。
したがって、その事業分野が今後も伸びつづけるか、その本部の業態が本当の強みを持っているか、多くの立地で成立する業態になっているかといったポイントで判定します。
①急速な発展を実現しているか、または、実現する可能性が高いか
②赤字店がないか。超繁盛店が複数存在しているか
③立地に多様性があるか

収益性を見極める

次に、収益性がどの程度魅力的かを判定します。
フランチャイズ本部に加盟するということは、事業として成功するかどうかが最大の関心事です。
収益性を判断する目安と留意ポイントは次の通りです。
①投資回収期間が短いか(償却前営業利益での投資回収期間3年以内が目安)
②営業利益率が高いかどうか(ロイヤルティ支払い後10%以上が目安)

差別化度を見極める

業態に競争力があるかどうかを判断するために、どの程度差別化されたセールスポイントがあるかを判定します。
フランチャイズ加盟で成功するには、業態の持つパワーが最も重要だ。そして、その判断材料が差別化度なのです。
①競合と比較してブランド力はあるか(知名度が高いか)
②名物といえる商品・サービスはあるか
他社に優る営業ノウハウがあるか
自社オリジナルの情報システムがあるか

サポート度を見極める

本部のサポートレベルを判定します。
フランチャイズ本部に加盟する場合、経験のない事業に参入することが一般的です。
したがって、本部のサポートレベルによってその成否が左右されることが往々にしてあります。
本部サポートで内容を吟味するものは次の通りである。
①開業前研修の内容
②開業時の支援内容
③スーパーバイザーの支援内容
④開業後研修の仕組み
⑤マニュアルの整備状況
⑥コンピュータシステム
⑦その他提供される本部からのサービス内容

●そのフィーはサポートに見合っているか

サポート度と密接な関係にあるのがフランチャイズフィーです。
フランチャイズフィーは、金額だけを見て高い安いという判断をするのではなく、あくまでもトータルの収益性の範囲内で判断すべきものです。
そもそもフランチャイズフィーは、本部が提供するサービスへの対価として支払うものなので、本部のサポート度を見極めるときは、フランチャイズフィーが何の対価になっているかを確認する必要もあります。

●イニシャル・フィー

①加盟金(ブランド使用、事業運営ノウハウの提供、開業支援、開業前研修(○名まで))
②保証金(本部に対する債務の担保として加盟店が預けておく金銭)
③加盟申込金(正式契約前の仮申し込み時に支払う金銭、加盟金に充当されることが多い)
④立地調査料(出店予定地の調査費用、加盟金に含まれる場合もある)
⑤研修費(開業前研修の受講費用、加盟金に含まれる場合もある)
⑥開業支援費(開業支援や開業時の応援にかかわる費用、加盟金に含まれる場合もある)

●ランニング・フィー

①ロイヤルティ(ブランド使用、本部の継続的な指導等の対価として加盟店が本部に定期的に支払う金銭)
②広告宣伝分担金、共通販促費(本部が統一して行う広告宣伝や販売促進費用として加盟店が負担する金銭)
③システム使用料(コンピュータシステムの使用料)
④研修費(開業後の研修受講費用)

誠実度を見極める

フランチャイズ本部への加盟は、本部を信頼することから始まります。
加盟成功へ向けた留意ポイントの5は、本部の誠実度を見極めるということです。
本部が偽りの情報を提供する、つまり騙そうとするなどということはもってのほかだが、金儲け主義に陥り、長い目で見るとあまり誠実じゃないということはよくあります。
したがって、本部がどの程度誠実に事業を運営し、フランチャイズ本部としての社会的責任を感じているかが重要です。
誠実度は次の3つの項目で知ることができます。

①情報開示がどの程度進んでいるか
②フランチャイズ事業が会社のなかで大きな比率を占めているか
③トップが真剣にフランチャイズ事業に取り組んでいるか

安心度を見極める

最後のポイントは、安心度です。
これは、FC本部企業がどの程度経営的に安定しているかという視点です。
フランチャイズ事業は、半永久的に継続するのが原則です。したがって、FC本部企業の経営が安定していることが一つの条件にもなります。ただし、やや先物買い的にフランチャイズ加盟する場合は、安心度が高いから良いというわけではないので、それぞれの事情に合わせて判断する必要があります。

安心度を判定する基準には次のようなポイントがあります。
①企業の規模と収益性(売上高、利益など)
②企業の業界内でのポジション
③企業の資本系列や上場・非上場など

Step 3 - 2.衰退する本部を見抜く四つの兆候

成功確率の高い本部を見分けるポイントは以上だが、突然成長が止まる本部もあります。そういった衰退する本部を見極める4つの兆候を以下に挙げます。

既存店の売上実績が前年実績を下回っている

フランチャイズ本部は、一般的には店舗数が増加しているため全体の売上高は増加傾向にあります。
ところが、業態に成長力がなくなると既存店の成長は止まります。
したがって、衰退傾向が出てきた本部の既存店売上高は、前年実績を下回ることが多いのです。
急成長を遂げていても、既存店売上高が前年実績を下回るようだとピークが過ぎていると考えて差し支えありません。
ただし、業態パワーには地域によってかなりのタイムラグがあります。
したがって、都市部から離れると比較的長くその競争力が維持される場合もあるのです。事業展開する地域の事情をある程度勘案して判断してください。

都心部の有力店が最近一年以内に複数閉鎖されている

日本では数多くの業態が、都心部で繁盛し、地方へ広がっていくという経緯をたどります。
地方でスタートしても、やはり一度都心部で爆発的にヒットして、それからまた地方へ広がっていくのが、日本におけるブランド浸透の多くのパターンです。
したがって、発祥の地や都心部の有力店が撤退するということは、そのブランドの寿命が尽きかけていることを表していると言えます。
有力な直営店が数店続けて閉鎖している場合は、衰退傾向がはっきり出ているということなのです。

本部社員の平均年齢が2年続けて1歳以上上昇している

成長している企業にとって最も必要なのは人材です。
しかも、将来を担う若い人材が不可欠です。
これはフランチャイズ本部にとっても同様であるため、本当に成長しているフランチャイズ本部は平均年齢が下がる傾向にあります。
ところが、見かけ上は成長していても内部体制が整備されていなかったり、将来に夢が持てなかったりすると若くて優秀な人材が流出してしまいます。
そのうえ、新規採用を絞ったりするとすぐに平均年齢が1歳以上上昇してしまいます。
社員が魅力を感じないような企業は、いくら成長していても長続きはしないものです。

本業以外に関連の薄い事業にいろいろと手を出している

フランチャイズシステムは、非常に大規模なビジネスに成長するチャンスを秘めた経営システムです。
したがって、ある一定の規模に到達するまでは、本業とあまり関係のない事業に手を出す必要はありません。
ところが、FC本部自身が事業の将来性に希望を持っていなかったり、片手間で本部を始めた場合は、本業と関係のない事業に手を出したくなるものです。FC本部が自信を持てない事業に将来の成功があるはずがありません。

【Step 4】FC本部を調べ、絞り込む

加盟すべき本部を選ぶ基準を明確にしたら、次は実際にフランチャイズ本部を調べ、絞り込みましょう。
絞り込みには、いくつかの資料を集めて基準に照らし合わせる作業が必要です。そして、実際に店舗や本部を訪問したり、関係者と会って話を聞くことが不可欠となります。

Step 4 - 1.フランチャイズ本部が作成しているツールで調べる

FC本部選定には、フランチャイズ本部が作成している種々のツールが参考になります。一般的には、次のようなものがあります。

・加盟案内パンフレット
・商品・サービスパンフレット
・チラシ類
・動画
・ホームページ
・損益モデル
・パブリシティ集
・契約書
・法定開示書面(契約のしおりなど)
・直営店などの実績集
・加盟店の所在一覧

これらツール類の記載事項をチェックする際は、次のようなポイントに注意すべきです。

損益面からのチェックポイント

①初期投資額にはどの範囲まで含まれているか
②標準売上高は実績に基づいているか
③標準売上高は実際の店舗面積と整合性があるか
④標準売上高はどんな立地で想定されているか
⑤売上総利益は実績に基づいているか、無理な設定はないか
⑥人件費の計上は妥当か
⑦賃借料など営業費用の計上は妥当か
⑧減価償却費の計上方法はどうなっているか

負うべき義務の面からのチェックポイント

①支払う金銭の算定と支払い方法
・複数加盟の場合の金銭面での特典はあるか
・ロイヤルティの逓減性やインセンティブがあるか
・支払いサイトはどうなっているか…など
②加盟時に負うべき義務としてどのようなものがあるか
・設計や建築は本部指定業者を使うか
・本部指定の備品などを購入する義務があるか
・特別な免許や許認可を受ける必要があるか
・研修の受講対象はどこまでか、費用はどうなっているか…など
③加盟後の義務にはどのようなものがあるか
・本部指定の原料や材料を使う義務があるか
・定期報告や会議への出席の義務付け
・競合する事業の運営や当該企業の役員就任の禁止…など
④契約解除時の規定はどうなっているか
・最初の契約期間と更新後の期間および更新料の有無
・期間満了時の解除方法と事前通知の期日の規定
・途中解約時の解約方法と違約金の有無…など
⑤契約解除後の義務にはどんなものがあるか
・一定期間の競業避止義務が課せられているか
・ノウハウ等の秘密厳守規定があるか…など
⑥本部の加盟店へのサービス内容を明確にする
・スーパーバイザーの活動内容(訪問回数、訪問時の業務内容等)
・本部から供給される商品、原材料等(範囲と価格等)
・本部から提供される販促ツール等(販促ツールの種類と価格等)
・本部から提供される備品、消耗品等(品目と価格等)…など

Step 4 - 2.実際の訪問と面談によって調べる

資料を収集して、調べるべきポイントをまとめる作業と並行して、その内容の確認と不十分な点を補足するため、実際に本部や店舗、事業所への訪問、面談という活動が不可欠となります。
訪問、面談すべきところは次の通りです。
①フランチャイズ本部……トップおよび事業責任者(フランチャイズ本部長など)、スーパーバイザー
②直営店……店長、マネジャー
③工場、物流拠点…… 工場長、責任者
④加盟店……オーナー、事業責任者(店長、マネジャー)
⑤競合本部……事業責任者、開発担当者
⑥競合店……店長、マネジャー

Step 4 - 3.その本部に「惚れているか」を自分に問う

資料を収集し、本部や店舗を訪問し、いろいろな人と面談すると、客観的なデータとともに自分と本部との相性のようなものも分かってきます。
フランチャイズ本部に加盟するということは、その本部と長いつきあいをするということです。したがって、その本部との相性は非常に大切となります。
結果として、いかに惚れることができるかが最も大切なポイントとなるのです。
そして、その本部に加盟することが、企業の将来目標や人生目標の実現にとって最適な手段となりうるかどうかを判断することが不可欠となります。
「あなたは本当にその本部に惚れていますか?」

【Step 5】最適な立地を決める

Step 5 - 1.立地選定のポイント(地場の強みを生かす)

フランチャイズ加盟で事業がなかなか軌道に乗らない加盟店オーナーに多いのは「こんなところで出店しなければよかった」という嘆きです。
出店場所に関しては、本部の紹介物件もあれば、加盟者自身が探してくる場合もあります。どちらにしても、売上査定は通常FC本部が行ってくれます。
売上査定は類似立地の既存店実績から推定して算出されるが、店舗数がそれほど多くない場合には精度は期待できません。
フランチャイズ加盟を考える場合、加盟者に立地判定のノウハウがあるわけではないので、本部の立地判定のためのノウハウや情報は可能な限り参考にする必要がありますが、最終的には加盟者自身が判断するしかありません。
判断するための情報は可能な限り収集しなければならないですが、最終的にどこに出店するかを決めるのは加盟者自身であるということです。

【Step 6】事業計画を検討する

Step 6 - 1.事業計画の作成ポイント

加盟すべき本部が決まったら、中・長期の事業計画を作成しましょう。
フランチャイズ加盟とは、短期的なプロジェクトを遂行するという性格の事業展開ではありません。長期にわたってその事業を継続していくのが基本なのです。
したがって、フランチャイズ本部に加盟する際には、中・長期の事業計画が必要となります。
1店だけで展開するのか、将来複数の店舗展開を目指すのかなど中・長期の事業目標を明確にして、それに向けてどんな人材配置や組織で事業を展開していくかを明確にしなければならないのです。
事業計画の作成に際して留意すべきポイントは次の通りです。
①中・長期の目標を明確に
・事業規模、地域社会でのポジション、本業との関連等
②資金計画は慎重に
・資金計画を作成する際には、売上予測を達成可能なレベルで算定する(無理な売上設定をしない)
・事業が軌道に乗るまでの期間の資金需要も考慮する
・借入比率は、可能な限り抑える
・初期投資に関しては、リース利用の範囲を明確にする
・二店舗目以降の投資計画も想定する
③組織作り
・余剰人員のごみ箱にしない
・店舗運営に専念できるシンプルな組織構築を行う
・利益志向を明確にし、責任の所在をはっきりとさせる
能力主義で処遇と連動した人事制度を構築する
④人材教育
・一人がすべての業務をこなせるよう育成する(多能工化)
・本部の研修システムの積極的な活用を図る
・多店舗展開に向けて責任者予備軍の育成を計画的に行う
⑤マーケティング
・本部主導のマーケティング活動から地域に密着したマーケティング手法を確立する
・顧客情報を集積、活用する仕組みを確立する

Step 6 - 2.資金繰りを考える

中・長期の事業計画に基づいて、資金調達と開業から1~2年の資金繰りに関して実際の計画を作成しましょう。
開業後1~2年で資金が不足すると本来必要な販売促進活動などが実施できなくなり、売上が計画通り達成できなくなるという悪いサイクルに陥ってしまいます。
したがって開業後1~2年の資金繰りは、よりシビアにシミュレートしておく必要があります。
資金繰りを検討する際の留意ポイントは以下の通りです。
①売上計画は達成可能な最低ラインで設定する
②オーナーの生活費(給与)は必ず確保する
③短期返済の無理な借入は行わない
④売上は季節変動を考慮して月別に変動させる
⑤開業前の費用発生も見込んでおく

【Step 7】FC契約の調印

Step 7 - 1.FC契約の調印前の最後のチェックポイント

調印してしまうともう後戻りは許されません。
支払った加盟金は戻ってこないのです。
実際に調印する前に、少し冷静になれる時間をとり、本当に加盟すべきかどうかを最終チェックしてください。

Step 7 - 2.FC契約書の理解は徹底的に行う

FC契約書の概要は法定開示書面などで理解しているつもりでも、契約書の記載事項には、聞きなれない表現や理解できない言葉が多く見受けられます。
そこで、契約調印する前に契約書の記載事項に関して、意味が不明な場合はもちろん、言葉の意味があいまいな場合も必ず本部の見解を確認することが重要です。
フランチャイズシステムにおいては、契約書がすべての基本です。
次にフランチャイズ契約書を理解するために不可欠な表現や言葉を挙げておきます。

競業避止義務

フランチャイジーに対し、当該のフランチャイズシステムによる営業と競業関係となる行為を禁止するもの。契約解除後も一定期間この義務が課される場合も多い。

期限の利益を喪失

契約が有効な間は決められた期限までその義務が猶予されるが、契約の解除と共にその義務の履行が即時に発生することを意味する。

テリトリー制

フランチャイザーがフランチャイジーに対して、その営業地域を指定する制度をいう。
テリトリー内にフランチャイジーを1社しか設置しないものを「クローズドテリトリー」または「排他的テリトリー」といい、複数設置するものを「オープンテリトリー」という。販売地域は指定しないが、フランチャイジーの店舗の設置場所を一定の地点または地域内に限定するものを「ロケーション制」という。

売上・利益保証の不存在

フランチャイザーはフランチャイジーに対して売上や利益に関して特には保証しないという規定。加盟前に損益シミュレーションなどを提示しても、その数値を実際に保証するわけではないといったことを意味する。

機密保持義務

契約存続中はもちろん契約終了後もフランチャイズ契約に基づいて知り得た知識、資料、情報、ノウハウ等機密事項を無断で使用したり、第三者に漏洩してはならないという規定。この規定は契約解除後も影響を与えるので注意が必要である。

加盟者の義務

契約書には、加盟者が遵守すべき義務が網羅されている。フランチャイズ契約は本部と加盟者の間で必ず守らなければならない規定が網羅されている。加盟者として何を守らなければならないかを必ず細かく確認することが必要だ。

契約解除規定

契約を締結したからといって、期間中はどんなことがあっても契約が解除されないわけではない。契約違反や本部の指導に従わないと契約が解除される規定が必ずあるので、どういった行為が契約解除の対象になるかを必ず確認しなければならない。

契約期間

フランチャイズ契約には必ず契約期間がある。
契約期間の設定に関しては、通常投資回収期間より著しく短くても長くても適切ではない。さらに、契約更新時に更新料を徴収するところもある。契約更新時の手続きや必要な金銭と中途解約時の違約金支払いに関する規定も確認を要する。

【Step 8】開業に向けて準備する

Step 8 - 1.店舗の建設・工事に際しての留意ポイント

店舗の設計から工事に関しては、本部で取り決めている場合が多いです。
特に設計に関しては、ブランドイメージ維持のために本部が担当する場合がほとんどです。施工も本部指定業者の場合が多いが、必ずしも強制できるわけではありません。
本部の指定業者だけでなく、加盟者自身で工事見積りをとる努力は必要です。
結果として本部指定業者で工事を行うにしても、コストを落とすためには必ず複数業者からの見積り作業は不可欠です。
店舗の施工に関して留意すべきポイントは以下の通り。
①工事業者は複数から見積りをとる
②スケジュール管理は細かく、業者任せにしない
③本部と加盟店側の役割分担を明確にする(責任の所在を明確にする)
④支払い条件は前もって確認する(リース利用を含めて)
⑤追加工事や設計変更はコスト抑制の最大の敵
⑥引渡し日は、開業ぎりぎりにならないようにゆとりを持って設定する

Step 8 - 2.開業までの準備業務は一元管理できているか

契約から開業までの期間は、店舗の施工と並行して開業に向け多くの準備業務をこなさなければなりません。
準備業務は、各種届け出などの公的手続きに始まり開業前の販売促進活動など多岐にわたります。
フランチャイズ加盟の場合、開業までの準備事項は一覧表にまとめられスケジュール管理できるようにはなっていますが、本部がすべてやってくれるわけでありません。
実際に動くのは加盟者自身なのです。ちょっとしたミスが余計なコスト増につながりかねないので、細心の注意を払って漏れのない対応が必要となります。

Step 8 - 3.人の採用は不要なコストを抑えて最大の成果を

開業前にかなりの手間とコストがかかるのが人の採用です。家族だけで運営するといった場合は別ですが、通常は新たに人の採用が必要となります。
人の採用手順は次の通りです。
①採用人数を設定する(職種別に)
②採用基準を設定する
③処遇を設定する
④採用の告知を行う(情報誌への掲載、新聞折り込みなどの活用)
⑤書類選考、面接によって選考し採用する
⑥研修の実施

Step 8 - 4.開業前研修受講のポイント

フランチャイズ本部に加盟して開業前に必ず実施されるのが開業前研修です。
フランチャイズ加盟では、開業前研修でどこまで運営ノウハウを習得できるかが開業時の成否を決める。したがって、開業前研修をおろそかにせず、真剣に受講することが大切となる。
開業前研修を受講する際の留意ポイントは次の通りである。
①研修内容に関しては、素直にすべて受け入れる心構えで受講する
②不明な点や理解できないところはその場で必ず質問し、解決しておく
③できないところをそのままにしない。繰り返しできるまでやる
④自分が他の人に教えることができるレベルを目標に受講する

【Step 9】いざ開業

Step 9 - 1.開業前のパート、アルバイト研修の成功ポイント

開業直前には、実際の店舗を使ってパート、アルバイトなど従業員への研修が実施される。研修は本部講師が担当してくれる場合もあるが、本部研修を受講した後、オーナー自身が実施することが多い。開業時に混乱を起こさないためには、従業員が一定の水準に到達していることが不可欠である。

Step 9 - 2.本部の支援体制の確認と人員態勢

開業時には、多くの本部が加盟店に対して本部スタッフを派遣して、スムーズにオープンできるよう支援してくれる。しかし、その応援も開業後数日間といった場合が多い。したがって、本部の支援体制を十分に確認して、本部の応援がなくなっても運営に支障をきたさないような準備をしておく必要があるのだ。

●本部からの応援についての確認ポイント

①応援スタッフの人員と期間
②応援に関する費用負担
③宿泊や食事の手配
④応援期間の延長と費用負担など

Step 9 - 3.事業拡大を加速させるために

フランチャイズ加盟は、開業で終わるわけではない。始まりだ。あなたの夢を実現するための第一歩だ。次表にまとめたポイントに留意して、ぜひフランチャイズ加盟で事業拡大を加速させていただきたい。

さあ、今こそ始めよう! あなたの夢の実現に向けて……

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「フランチャイズ展開を考えたい」「自社の事業がフランチャイズに出来るかを知りたい」「フランチャイズ本部の運営がうまくいかない」「のれん分け制度を作りたい」など、フランチャイズビジネスに関わるお悩みは、貴社ビジネスの新しいカタチを模索している経営者の方、事業責任者の方、アクアネット フランチャイズ経営研究所のフランチャイズ・コンサルタントにお気軽にお寄せください。
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