フランチャイズ展開で、どうしても避けられない各種マニュアル作成。ここでは弊社が携わったマニュアル作成支援の事例をご紹介します。
ご依頼のきっかけ
きもの販売チェーンA社は、レンタル振り袖、写真撮影や成人式前の着付け、記念のアルバム作成まで、自社で直接手配できるなど、振り袖・きもの小売店では後発でありながら、老舗チェーンに追いつけ追い越せという勢いで成長していました。
伴って、店舗数が増え、出店地域も全国に広がっており、その後はフランチャイズで全国展開することも検討されていました。
そうした中で、大きな問題が、販売員、店舗スタッフの教育に必要なマニュアルがないことでした。
振り袖の販売は、接客時間も長く、スタッフ同士の連携も必要など、熟練するまでには、商品知識、接客方法などの基礎知識から、数多くの接客・販売を通じて、お客様のニーズや悩みを見抜いて、お客様が快くご契約いただけるように導くなど、目に見えない高度な接客テクニックと心構えを身につけなければなりません。
そうした業務上の特殊性もあって、当時、同社ではマニュアルに頼らず、熟練者から一般社員に実務で教えるというやり方で、販売力を「伝承」していました。
しかしながら、店舗の増加とともに、熟練者が頻繁に指導に行ける店と、そうでない店とに、大きな差が生じてきたことが営業成績から明らかになってきました。
また、業界からスカウトした人材は、独自の販売ノウハウを持っており、その良い面は取り入れて、自社の販売力を強化したいとも考えていました。
こうした背景から、事業部門の担当役員が旗を振って、新入社員から熟練者まで共通する販売業務の基礎部分を明文化、標準化することになりました。
しかしながら、社内でそうしたマニュアル作成、ノウハウの見える化を経験した社員がいないことから、外部の力を借りることとなり、以前別部門のフランチャイズ化をご支援したこともあって、私どもにご相談いただきました。
主なご支援内容
ご支援内容：店舗業務マニュアル作成プロジェクトの推進
実施期間： １年
クライアント様の事業内容
業種／和装（振り袖、きもの）事業、ウェディング事業
規模／ 年商約150億円
創業／ 1991年
コンサルからみた問題や課題にはどのようなものがあったか？
文書、資料がほとんどないため、役職者、熟練者のヒアリングが必要だったこと。
熟練者間でも、販売手順やノウハウに乖離があり、社内統一基準を決められる人材を決めていただく必要があったこと。
お客様のご要望
上場を目指していることもあり、業務フローや手順の文書化が求められることがはっきりしていたこともあり、時間がかかっても、まとまったカタチにして欲しいということであった。
ご支援の具体的な手順、内容
私どもだけでは、必要な情報を集め、文書を推敲することが困難であることから、プロジェクトチームを立ち上げて、事業部全体で取り組む形をトップダウンで取っていただきました。
その上で、窓口担当者、業務別にプロジェクトメンバーの人選をお願いしました。
次に、担当役員も出席いただいて、プロジェクトチームのキックオフを行い、マニュアル作成の目的、完成までのロードマップ、大まかな作業スケジュールを共有して、協力体制を確認して、業務をスタートしました。
マニュアル全体の構成案、目次案は、事前に役員とも共有、実務責任者にも確認して、業務ごとのヒアリング、写真撮影を行っていきました。
目次はヒアリングの進捗や内容から、必要な修正も加えながらも、当初の目的から乖離しないよう配慮して作業を進めました。
第1校を提出して、責任者にチェック後は、窓口担当者とのやり取りを中心に、推敲を重ねました。
店長や販売教育責任者など、日常業務もある中でしたので、チェックと修正に時間がかかることもありましたが、約1年で同社初の販売業務マニュアルが完成しました。
ご支援後の変化
基礎的な業務、ルーチン業務手順の標準化が進み、教育指導の大切さが少しずつ浸透していったものと思います。
また同社はその後上場も果たし、フランチャイズ展開も徐々に進んでいます。
お客様からのご評価
＊店舗業務、きもの販売という一見特殊な仕事内容にも、客観的な考察しながら、標準的な業務を可視化できた
＊フランチャイズ展開に向けて大事なツールである、店舗運営マニュアルを体系化できた
＊社員教育にも活用するようになり、販売力の差を減らすことに繋がった
＊社内にマニュアル担当者を置き、改訂も進められるようになった
フランチャイズビジネスに関わるお悩みがございましたら、
