フランチャイズチェーンにおける加盟店とのトラブルの実際

フランチャイズチェーンにおいては、色々とトラブルが発生するというイメージをお持ちの方も多いと思います。マスコミなどで、少し大げさに取り上げられることもあるために、実際以上にトラブルが多い印象を受けている方も多いでしょうが、実際には、多くのチェーンがそれほど多くのトラブルを抱えているわけではありません。

しかし、加盟店が思ったように利益を上げられないということは、往々にして起こるリます。その際の対応を間違えると、フランチャイズ本部と加盟店間のトラブルに発展する可能性はあるといえます。
そこで、ここでは、実際によく起こるトラブルの内容とその要因を解説します。

実際に起こる加盟店とのトラブルは?

「FC本部の方針通りに営業しているのに、当初聞いた売上や利益なんかほど遠いよ」「我々がこんなに困っているのにFC本部は何もやってくれない」

このような話を聞くと、フランチャイズ・ビジネスは加盟店ばかり苦労する、結果としてFC本部と加盟店間のトラブルがつきもののような印象を受けてしまいます。
しかし、実際はそう単純な話ではありません。

真面目に運営しているFC本部であれば、トラブルが数多く起こることはありません。
もちろん、実際にトラブルがあるのも事実です。商売をしていれば、どんな形態であろうと起こりうる、という類のものも多いのです。
ただ、「フランチャイズだから」起きてしまうことというものもあります。
フランチャイズビジネスにおいて発生するトラブルは、フランチャイズ本部、加盟店の双方に原因があります。

トラブルとなる事象は、簡単に言うと「儲かるって言ったのに、話が違う」という点です。
フランチャイズ本部にとっては、加盟店が永続的に経営し続け、チェーン展開が維持できることがその成功にとっては不可欠です。したがって、それぞれの原因をよく理解した上で、トラブル防止に努めることがフランチャイズ本部の成功のためには不可欠です。以下それぞれについて解説しましょう。

トラブルの原因:フランチャイズ本部側の原因

フランチャイズ本部側の原因としては以下の3点が挙げられます。
①競争力、収益力のない業態をフランチャイズ展開している
②多店舗化に向けた本部機能が整備されていない
③環境変化への適応を支援できない

①競争力、収益力のない業態をフランチャイズ展開している

まずは「競争力、収益力のない業態をフランチャイズ展開している」場合です。
フランチャイズ展開に当たっては、今までに成功した実績のある業態がベースとなります。
その際には、ある一定レベル以上の収益性と競争力を保持することが求められます。したがって、そうしたレベルに達していない業態をフランチャイズ展開した場合、計画通りの売上や利益が達成できないことは当然予想されることです。
まして、直営店での実績が全く無いような場合に、予定通りの収益をあげられるわけがありません。
また、直営店ではきちんと実績を出してはいるが、加盟店での実績が上がらないという場合もあります。
その場合には、FC本部が加盟店に改善指導をきちんとできなければ、いつか本部不振が拡大し、脱退につながる恐れもあります。
フランチャイズ本部として加盟店に利益を出させることができるサポート力があるということが最大のトラブル回避策となります。

②多店舗化に向けた本部機能が整備されていない

次に『多店舗化に向けた本部機能が整備されていない』場合です。
直営店で数店舗展開しているときと、フランチャイズチェーンとして数十店、数百店の段階では、FC本部に求められるFC本部機能(インフラ)のレベルが大きく異なってきます。
店舗数の増加を見越して、FC本部機能を先行的に整備できないと、加盟店の永続的な繁栄を支援することが難しくなるのです。
特に加盟店の運営をサポートする6つの機能(採用・教育研修、開業支援、サプライ、情報システム&会計、マーケティング、スーパーバイジング)整備は、加盟店の拡大に先行して体制整備を行うことが加盟店の満足度を高め、トラブル防止につながります。

③環境変化への適応を支援できない

三つ目が『環境変化への適応を支援できない』ことです。
店舗を取り巻く環境は、信じられない速さで変化します。加盟店の販促策や競合店対策を支援したり、店舗の改装を実施したり、最後は移転や業態転換を支援するなど加盟店の活性化と存続に向けた本部の対応が適切に実施できないと収益性が悪化し、加盟店の不満増大や脱退といったトラブルにつながってしまいます。
このためのFC本部機能整備としては、マーケティング及び立地開発、新業態開発などが中心となります。

トラブルの原因:加盟店側編

加盟店側の原因は以下の四点が挙げられます。
①加盟しさえすれば成功するという思いこみが強い
②経営者としての自覚を持てない
③自分流のやり方に固執する
④他事業に資金を流用する

この四つのどれを見ても、「FC本部任せ」あるいは「加盟店としての自覚不足」というイメージがわいてきます。
実際に、フランチャイズ契約をして、FC本部と加盟店という関係ができることは、FC本部に入社することとは違うわけで、加盟店は「経営者」なのです。
FC本部の方針に従いながらも、経営者としての自己責任を自覚したうえで加盟することが不可欠となります。
最近は、副業としてフランチャイズ加盟を考えている加盟希望者も増えてきています。資金さえ用意すればFC本部が何とかしてくれるということで加盟を決めてしまう方も増えています。
しかし、実際にはFC本部が何とかしてくれるというフランチャイズチェーンはほとんど存在していません。
加盟店が一生懸命努力して初めて成功できるのが、フランチャイズビジネスです。

FC本部と加盟店間のトラブルを防ぐために

加盟希望者への適切な情報開示|FC本部

FC本部側としては、加盟希望者に対してできるだけ多くの情報を開示することです。特に収益面に関しては可能な限りの実績を開示し、加盟希望者が自分自身で判断できるだけの情報を開示することが大切です。
加盟後も継続的な支援が実施できる本部機能の構築は欠かせません。
更に、加盟者の適性を客観的に判断すること、つまり誰でも加盟させないということも大切です。
加盟者が本気で事業運営を行う意思があるかどうか、片手間で本部任せにしようとしていないかなど加盟してもらう際には、基準を決めて加盟審査を行うことがトラブル防止には必要となります。

契約する段階でFC本部を見極める|加盟店側

加盟店側は、加盟を決定する前に契約内容とFC本部の実態に関して、徹底的に情報を収集した上で判断することが何よりも重要となります。
特に収益面での実績確認と他の加盟店オーナーの意見をできるだけ多く収集することも必要です。そして、加盟後は自己責任において経営するという意思をしっかり持つことです。副業といえどもFC本部任せでは、成功できないことを肝に銘じて加盟を考えることが必要です。

「うちのビジネスは、フランチャイズにできる?」★お気軽にご相談ください★

「うちのビジネスは、フランチャイズできるのか?」と考えていらっしゃいますか?
フランチャイズビジネスに関わるお悩みがございましたら、
一度、アクアネットのコンサルタントに話してみませんか?
いまの悩んでいる、考えているフランチャイズのこと、フランチャイズに関する疑問などにお答えします。

 

FC無料相談に申し込む

おすすめの記事