
フランチャイズ本部に必要な10の機能の一つ「サプライ機能」について、より詳しくお伝えするページです。
[参照ページ]フランチャイズ本部には、必要な10の機能がある
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本部から加盟店へ“もの”を供給する仕組みを構築する
フランチャイズ・チェーンは、本部と加盟店が同一ブランドの下、同じ事業を運営することで成り立っています。したがって、本部には、加盟店が同一イメージで同じ業態を運営するために必要な商品や原材料及び資材等を供給する義務があります。
フランチャイズ・チェーンを永続的に維持するためには、商品や原材料及び資材等の“もの”を継続的に供給する体制を整備することが求められることになります。
供給頻度とエリア
もちろん、ただ単にものを供給すればいいというわけではありません。チェーン本部の収益性を考えれば、当然そこには効率性も求められます。つまり、コストを最低限に抑えるということが併せて求められるのです。
供給エリアが広い上に加盟店が点在しているために物流コストが膨大になる、というのではせっかく上げた利益が水の泡になってしまいます。
しかし、コストを重視しすぎると、供給体制が十分に整備できないために本来毎日配送しなければならないところを、週に2回しか配送できないというようなことになってしまうと、加盟店の成功は難しいと言わざるを得ません。したがって、供給機能に関しては、計画的なエリア拡大と店舗数の増加に対応して体制を整備することが不可欠です。
加盟希望者が出てきたので取りあえず供給機能は不十分だけれど開店させてしまおう、というようなことでは、フランチャイズ本部としての成功を危うくしてしまいます。
供給体制と価格設定のポイント
供給機能に関しては、自社でまかなうという選択と外部の協力業者と提携して体制整備を行うという考え方があります。
どちらが正しいという訳ではありません。また全てを自社でまかなうか一部を外部に委託するかについても自社に最も相応しい方法を選択する必要があります。
たとえば、物流機能だけは外部に委託するが製造と保管は自社でまかなう。もしくは、製造から物流まで全てを外部に委託するという選択もあります。
FC本部立ち上げ当初は加盟店数も少ないので、他社に委託するが加盟店が一定以上になった時点で、自社内で対応するというように、段階を追って供給体制を変化させる考え方もあります。
供給体制の構築に際して留意すべきこと
供給体制の構築に際して留意すべきポイントは、
- ・加盟店の運営に支障をきたすようなリスクはないか
- ・本部の利益を十分に確保できるか
- ・商品製造面等でチェーンのノウハウが外部に流出しないか
などです。
自社で全てを対応することで却ってリスクを増大させたり、コストが増加したりということもあります。
社内で全てまかなうことで、厳しさが足りなくなったり、体質的に甘えの構造が醸成されたりということもよく起こります。したがって、リスクの回避とコスト低減のためには、外部との協力体制を築くという選択は非常に重要です。
供給体制の構築ポイント
供給体制を構築する中では、以下のことを検討し、明確にすることが求められます。
- ◆供給するものの範囲を明確にする
- ◆納品頻度、受発注のタイミングを決定する
- ◆フランチャイズ・チェーンとしての将来像を明確にする
- ◆店舗数と展開エリアを計画化する
- ◆具体的な計画に対して、もっともコストバランスがよい体制を選択する
本部と加盟店の収益性への影響にも注意して
“もの”の価格設定は、本部と加盟店の収益性に大きな影響を与えます。
加盟店の収益面を考慮しすぎて本部の収益性を損ねてしまうということもあれば、逆に本部の収益確保を重視しすぎて魅力ある加盟店収益が実現できなくなる場合もあります。したがって、供給機能はフランチャイズ・チェーンの収益性にも密接に関係しています。