日本でフランチャイズチェーンが始まって、まもなく60年。アメリカは100年以上になります。
そこで、フランチャイズの歴史を俯瞰し、また筆者の25年以上のフランチャイズ本部へのコンサルティングを専門にしてきた経験から、フランチャイズチェーンの継続に欠かせない以下の3つを紹介します。
①業態の環境変化への適応力
②加盟店をサポートするための継続的なFC本部機能整備
③加盟店オーナーの経営の継続性の支援
日本でフランチャイズチェーンがスタートしたのは1963年
1963年秋、ダスキンと不二家が加盟店1号店を出店したのが、日本のフランチャイズチェーンの始まりといわれています。
現在は2022年ですので、59年が経ったことになります。
両社ともに現在も大手フランチャイズチェーンとして全国に店舗網が拡がっています。その後アメリカから入ってきたマクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンなども50年を超える歴史を刻んでいます。
アメリカでは、1863年シンガーミシンがフランチャイズの起源といわれ、すでに150年以上が経過しています。
アメリカでは、トラディショナル型のチェーンであるコカ・コーラが1900年に始まり100年以上の歴史を経て現在に至ります。
日本でも50年を超えるチェーンが多く輩出されている現在、次に目指すのは100年フランチャイズチェーンです。
では、100年を超えるフランチャイズチェーンを実現するために必要なものは何でしょうか?
業態の環境変化への適応力
まずは、フランチャイズを展開する業態の環境変化への適応力です。
100年間全く同じ業態、つまり同じ商品や営業方法で継続することは不可能です。
100年もたてば社会環境も大きく変わり、様々な分野でそれまでの常識を一変させるような発明や進化も見られるようになります。したがって、そういった企業を取り巻く環境変化に適応して業態を進化させていくことが100年続けるには不可欠となります。
加盟店をサポートするための継続的なFC本部機能整備
次に必要なのが、加盟店をサポートする為の機能整備を継続することです。
加盟店が増えれば増えるほど本部のサポートが求められます。
フランチャイズチェーンが継続するためには加盟店が順調に運営し続けることが必要です。
そして、そのためには本部のサポート体制が充実していることが必須となります。
フランチャイズチェーンとして100年超を目指すためには、本部のサポート体制を初期の段階から充実させて、加盟店が順調に運営を継続できる仕組みを定着させることが重要となります。
加盟店オーナーの経営の継続性の支援
さらに100年フランチャイズを目指すためには加盟店オーナーの経営の継続性を支援することも必要となります。
個人加盟でも、法人加盟でも最初に加盟したオーナーが100年間継続することは、不可能です。
最初のオーナーから二代目三代目への代替わりが可能となるような支援も求められます。地元で何代も同じフランチャイズ加盟店が続いているというのは素晴らしいことではないでしょうか?
時代にマッチした事業を何代も続く地元の老舗企業が運営している姿が、まさに地元に密着したフランチャイズ加盟店が長きにわたって地元の方々に愛されているという証になるのではないでしょうか。
まとめ
100年フランチャズを目指す第一歩は、その土台として誠実で環境変化に適応でき、加盟店をきめ細かくサポートできる本部づくりが必要であること、そのために必要な3つの要素を解説しました。
①業態の環境変化への適応力
②加盟店をサポートするための継続的なFC本部機能整備
③加盟店オーナーの経営の継続性の支援
フランチャイズ展開を考える経営者の方の中には、取り敢えず汎用的な内容の(ときにはひな形を転用しただけの)フランチャイズ契約書を作り、加盟店を集める。
FC本部の体制整備は、その後で何とかしていくというやり方では、フランチャイズチェーンの立ち上げは非常に非効率ですし、チェーンの継続性は期待できません。
せっかくフランチャイズ展開するのであれば、100年フランチャイズを目指して、最初からしっかりとしたFC本部体制づくりに取り組みましょう。