法人加盟が“決まりやすい会社・決まりにくい会社

前回に引き続き、法人加盟の商談について考えてみます。

 はじめに:法人加盟の難しさの本質は「相手の組織構造」

法人加盟の商談が複雑になる最大の理由は、「法人=一枚岩ではない」という点にあります。

どういうことかというと、同じ“法人加盟”でも、

・社長が全てを決める会社
・担当者(部長級)が窓口になる会社
・複数部門をまたいで決裁が必要な会社

では、商談の進め方がまったく異なるためです。

だからこそ加盟店開発担当者には、「相手企業がどんな構造で動いているのか」を読み取る力が求められます。

以下では代表的な3タイプに分けて、商談の動き方・攻略ポイント・必要資料の違いを整理します。

ケース(1):オーナー社長型(典型的な中小企業)─ 社長の“30分の感触”で決まる会社

【キーマンの特徴】

・社長が事業判断をほぼ一人で担当
・管理部門の比重が小さく、社長の意向がそのまま会社方針
・資料より「直感」「相性」「人柄」を重視

【商談の特徴】

・キーマン=社長
・最初の30分で結論の大半が決まる
・物件や人材など“現場の話”に反応しやすい

【攻略ポイント】

・最短で社長と会う機会を確保する
・ロジックより「わかりやすさ」や「現場感」を伝える
・「これはウチでもできる」と思える材料を早めに提示する

【必要資料】

・A4数枚のシンプルな事業企画書
・“社長の頭の中で即イメージできる”構成
・図表中心で文章量は最小限に

→ 社長の判断スピードに合わせることが、このタイプの鍵です。

 ケース(2):オーナー社長+部長層が動く中堅企業─ 社長の最終判断+部長層の「納得材料」が必要な会社

【キーマンの特徴】

・最終判断は社長だが、部長層の意見を気にする
・経営企画・総務・財務などが一定の存在感
・社長と部長の距離感が商談に影響する

【商談の特徴】

・社長:方向性を決める
・部長:社内調整(人員・予算・既存事業との整合)
・担当者:情報収集と現場側の検討

【攻略ポイント】

(1)まずは社長に「方向性としてアリ」と思ってもらう
(2)次に部長が「社内で説明できる材料」を求める
(3)部長層のチェックポイント
・既存事業との相性(人材・設備・地域)
・収支の“根拠”と“変動幅”の妥当性

【必要資料】

・社長向け:短く要点だけをまとめた提案書
・部長向け:根拠のある収支・採用計画・運営計画
・役割に応じて資料を分けるのが最も効果的

→ 社長と部長では“知りたい情報”が異なる点に注意。

ケース(3):部長・企画部が主導する大手寄り法人─ 稟議書の構造を理解しないと通らない会社

【キーマンの特徴】

・社長は最終承認のみで詳細には立ち入らない
・経営企画・財務・総務が強く影響
・リスク許容度が低く、再現性を最重視

【商談の特徴】

・窓口:企画部長・総務部長・財務部長
・“社内で説明しづらい要素”があると即ストップ
・資料の往復が複数回発生する

【攻略ポイント】

(1)初回面談で「決裁ルート」を必ず確認する
(2)資料は“担当者→部長→財務→社長”の流れを想定
(3)根拠・前提条件・数値の透明性を徹底する

【必要資料】

・稟議書にそのまま貼れる構造の提案書
・リスク・変動要因・代替案・撤退条件まで明記
・多店舗展開のシミュレーションモデル

→ このタイプでは“資料が主役”、担当者はその伝達者です。

法人加盟は「相手の会社構造」を知らずに進めてはいけない

法人加盟は、提案内容そのものより“相手企業がどのように意思決定するか”によって決まります。

加盟店開発担当者が最初に見極めるべきは、
・オーナー社長型
・オーナー+部長型
・部長・企画部主導型
のどのタイプかという点です。

その見極めによって、
・面談のストーリー
・必要資料のつくり方
・提案の深さ
・情報を出す順番
すべてが変わります。

つまり「相手の会社構造を読むこと」こそが、法人加盟における最初の仕事なのです。

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