加盟店サポートは、売上拡大から利益と持続性の時代へ
最近、興味深いニュースがありました。
ファミリーマートが約20年ぶりに会計システムを刷新し、
全国1万6000店の加盟店のPL(損益計算書)をSVが把握できる仕組みを導入したというものです。
この記事自体は、ファミリーマートをどうこう評する話ではありません。
むしろ、これまでのコンビニの高度で複雑なオペレーションを考えると、
SVが売上・発注・販促を中心に活動してきたことはごく自然な流れだったと言えます。
しかし、この刷新が示唆しているのは、
「時代が利益を見るスーパーバイジングへと確実に移り始めている」
という、業界全体の大きな潮目の変化です。
そして実際、外食・小売のフランチャイズでも、
ここ数年、同様の方向性を取るチェーンが増えてきました。
これまでから利益重視のSV活動を実践してきた本部も少なくありません。
その取り組みは、今まさに“時代が追いついてきた”と言えるでしょう。

売上拡大の時代には、売上に強いSVが必要だった

日本のチェーンビジネスは、長らく“拡大の時代”にありました。
新規出店のスピード、毎週の新商品、競争激化する市場……
この状況下では、
売場づくり・発注支援・販促対応に強いSVがチェーンの成長を支えてきた
のは間違いありません。
これまでのSVの活動は、
“その時代に最も適した価値提供”だったと言えます。

いま、チェーンが直面しているのは「利益が出にくい時代」

ところが現在、現場ではこんな声が増えています。
• 「売上は変わらないのに、利益が残りにくい」
• 「人件費と原価が上がり、固定費が上昇している」
• 「地域の競争も激しくなっている」
つまり、売上だけを見ていては経営が守れない時代なのです。
この状況が、
冒頭の“PLをSVが見られるようにする”というニュースとも響き合っています。

SVの本質は「加盟店に利益を出させること」

FC本部におけるSVの役割は、しばしば次のように語られます。
「SVの最大の役割は、加盟店に利益を出させること」
これは、時代がどう変わろうとも揺らがない原則です。
ただ、これまでは売上に目を向けざるを得ない構造や、膨大な業務負荷も相まって、
本来取り組むべき“利益をつくる指導”に十分な時間を割けなかった、という背景があります。
だからこそ今、
SVが“利益を見に行ける環境”を本部が整えることが不可欠になっています。
その体制づくりこそが、チェーン全体の未来を左右すると言えるでしょう。

本部がつくるべき「利益に強いSV」への進化

未来志向で考えると、必要なのは次の3つです。
① P/Lに基づいた指導の標準化
粗利率、労務比率、廃棄、時間帯別生産性など、
“利益の構造”をSVが自然に見られる仕組みづくり。
② 問題解決の“型”の提供
巡回チェック、課題抽出、改善策立案、効果検証──
これを本部が再現性あるプロセスとして整える。
③ SV評価のアップデート
売上貢献だけでなく、
利益改善・予兆発見・改善活動の質と量を評価軸にする。

利益を見るSVは、チェーンの持続性を高める

売上をつくるSVから、
利益構造まで見て改善できるSVへ。
それは店舗の利益を守るだけでなく、
チェーン全体の収益基盤を強くします。
そしてこの進化は、SV個人を責めるものではなく、
「本部がSVを成功させるための体制を整える」という前向きな取り組みです。
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