
SVは、毎日のように多種多様な相談と向き合っています。
「スタッフが急に辞めてしまった」
「売上が伸びず、理由がつかめない」
「クレームが増えている」
こうした現象への対応は、チェーン運営に不可欠な業務であり、
SVが懸命に支えてきたからこそ、これまでの成長がありました。
しかし、ここに1つの構造的課題があります。
“現象に反応するだけでは、問題の根は解決しない”ということです。
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店舗運営の多くは「原因志向型」の問題である
SVが扱う現場課題の多くは、
現象の裏側に“原因”が存在する、いわゆる 原因志向型(ギャップ型) の問題です。
• 売上が落ちた → どの時間帯?どのカテゴリ?客層の変化?
• スタッフが定着しない → 採用の質?教育?シフト?
• 在庫差異が出る → オペレーション?管理?人員配置?
こうした問題は、
「あるべき状態が明確」「現状が数値で把握できる」「原因が分解できる」
という特徴があり、
プロセスを標準化しやすい領域です。
したがって、SVが最も多く向き合う“店舗運営の改善”は、
本部が標準化に取り組む価値が非常に大きい領域といえます。
一方で、標準化が難しい領域も存在する
問題解決と一口に言っても、すべてが同じ構造ではありません。
たとえば──
● 新商品開発
● 事業計画づくり
● 新サービスの企画
● ブランド戦略
これらは **「あるべき姿を描くことそのものが価値」**であり、
問題そのものが“創造型・目標設定型”です。
この領域は、
原因志向で“何が悪いか”を探すのではなく、
“何をつくるか”を考えるため、プロセスの完全な標準化は不向きです。
つまり、
• 原因志向型 → 標準化しやすい(SVの主要領域)
• 創造型 → 標準化しすぎると力を奪う(本部企画の領域)
という違いを理解しておく必要があります。
だからこそ、SV領域は「標準化が効く」──属人化を超える道
SVの現場支援は、原因志向型が大半を占めます。
だからこそ、次のような進め方を本部が用意することで、
属人化が抑えられ、改善のスピードが均一になります。
① 問題の定義
- 現象ではなく、どの数値・どの構造にギャップがあるのか。
② 現状の把握
- 売上、客数、時間帯、人件費、廃棄など“事実と数値”で捉える。
③ 原因の分解
- 人・商品・オペレーション・外部環境に整理し、仮説を立てる。
④ 改善策の実行
- 実行可能で、効果の見込める施策を優先度付けして選ぶ。
⑤ 効果検証
- 改善後の数値変化を確認し、調整する。
⑥ ナレッジ化
- 成功パターンを共有し、チェーン全体へ展開する。
これは“創造的な戦略立案”ではなく、
毎日の店舗運営を安定させ、利益を積み上げるための技術です。
標準化できる領域と、標準化すべきではない領域を峻別することが、
SV支援の質を飛躍的に高めます。
火消しから脱却すると、SVの価値が“未来志向”になる
問題解決の型が整うと、SVの仕事は一段レベルアップします。
• 「売上が落ちている」ではなく「何が起きているか」を正確に分解できる
• 指導が“本部の押しつけ”ではなく“事実から導かれた共通認識”になる
• SVが店舗の“将来の改善余地”に目を向けられるようになる
• 同じ改善が複数店舗で再現され、チェーン全体へ波及する
火消しのような場当たり的対応ではなく
“チェーンの利益基盤をつくる役割”へと、SVの価値が進化します。
標準化はSVを縛るためではない
むしろ “SVの力を最大化するための本部の仕事” である
問題解決の標準化とは、
SVの自由度を奪うためのものではありません。
むしろ、
• 最低限守るべき“型”を整え、
• その上でSVが個々の判断力や洞察力を活かす
という構造を作ることが重要です。
標準化は、創造性を奪うのではなく、
創造力を発揮できる“余白”を生み出すものです。






