2013年、巳年が明けましたが、皆様はどんな新年を迎えられましたか。
昨年末に自民党政権に移行し、安倍総理の就任に伴って、株価も上昇し、円安も進行するという、景気回復に向けて、やや気分先行とはいえ、明るい雰囲気で新年を迎えた方も多いのではないでしょうか。将来に対して期待が持てない、頑張っても収入が増えないという閉塞感で一杯の気分から少し開放された感覚があるのかもしれません。
さて、フランチャイズ業界も、本年はフランチャイズシステムが日本に導入されて50年という節目の年を迎えます。1963年に不二家とダスキンがフランチャイズ加盟店の1号店を出店したのが、日本における本格的なフランチャイズチェーンの始まりといわれています。したがって、今年がちょうど、日本にフランチャイズシステムが導入されて50年ということになるのです。
フランチャイズシステムの特徴は継続性だと言われています。本部と加盟店が永続的に良い関係を築き、お互いに繁栄し続けられることが、最も大切なことです。実際に、不二家の1号店も健在です。京都の伏見にあります。50年間同じブランドを加盟店として守り続けるということは、素晴らしいことだと思います。本部と加盟店お互いの努力と協力関係が築けて初めて成し遂げられたことでしょう。更に100年を目指して頑張って頂きたいものです。
こうした長い関係を築くためには、本部として取り組まなければならないテーマが数多くあります。ここでいくつか挙げてみましょう。
一つ目は、継続的な業態の進化です。時代は大きく変わっています。自社を取り巻く環境変化にどう適応してビジネスモデルを進化させていくのかということは、フランチャイズ本部にとっては、永遠のテーマです。
二つ目は、本部のサポート体制の充実です。フランチャイズ本部は、加盟店を継続的にサポートし続けることで、その運営を維持することができます。そして、その中核をなすのがSVシステムです。多くの本部がSVに関しては、個人の能力頼みになっています。本部としてSVの行動を標準化し、過去のサポート実績を体系化し、年々レベルの高いサポートを行えるようにすることが不可欠です。SVの行動基準、本部としての加盟店評価の基準作りを徹底することが重要となります。
三つ目は、加盟店からの情報収集と成功、失敗事例の集約とそれらをベースにした新たなノウハウ構築を行う体制整備です。そして、そのためには加盟店会の設立やオーナー会議等の活用などを推進することも必要となってきます。最近は、本部がノウハウを開発して加盟店に提供するだけでは、競争力が維持できなくなっています。いかに加盟店からの情報や新たなノウハウを本部が集約し、本部ノウハウとして構築していくかということがより重要になっています。
以上が本部の取り組むべきテーマですが、最も重要な点は、加盟店が本部と一体となって共に努力し、共に喜び合える組織運営が実現できるかどうかです。
新年を迎えて、今一度自社の状況を再点検してみてください。やるべきことは、おのずと見えてくるはずです。