地域社会の一員としての防災、防犯対策を

この度の西日本豪雨により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復旧を願っております。

阪神淡路から東日本、熊本と続く大震災や新潟、広島、そして今回の西日本全域にわたる豪雨被害など全国各地で大規模な災害被害が相次いでいます。そんな中、フランチャイズ業界においても、コンビニエンスストアのセーフティステーション活動に代表されるように、地域の防災や防犯といった「安全、安心なまちづくりに協力」する動きが活発化しています。JFAのアンケートによると、災害時には、周りのお店が休業を余儀なくされる中、営業を継続し、トイレの提供、水やお湯の提供などを行うことで地域の方々を支援したというお店が災害を受けた対象店舗の約50%に及んでいます。防犯でも特殊詐欺の未然防止や女性、子供の駆け込みと高齢者保護などでも数多くの実績を残しているというアンケート結果が出ています。

現在日本国内では、コンビニエンスストアだけで5万店を超えるネットワークが出来上がっており、人口2千人に1店舗が存在しています。フランチャイズ業界全体の店舗数では、26万店を超えており、コンビニだけではなく全ての店舗がセーフティステーション化すれば、450人に1店舗の割合で地域社会を助けられる拠点が生まれるということです。

フランチャイズ業界はコンビニのような、小売業だけではなく、飲食業、サービス業、建築業など幅広い業種、業態で構成されているため、全ての店舗でコンビニと同じ活動ができるわけではありませんが、それぞれの業態にふさわしい貢献の仕方があるのではないでしょうか?
地域社会の一員として永くその地で営業し続けることがフランチャイズ加盟店の大きな目的です。その目的を果たすために緊急時に如何に自店が周りの皆様のお役に立てるかを考え、いざというときのための準備を行い、定期的に訓練を行い、その内容を見直すということを継続していくということが求められています。

今回の災害でも多くの人が、「自分だけは大丈夫」「まさかうちには来ないだろう」と思って迅速な避難活動ができなかったと報道されています。フランチャイズ加盟店でも実際に災害が起こった際に手遅れにならない対応ができるように、オーナーだけではなく、従業員ともども迅速に緊急時の対応ができるようにしておくことが重要です。そして、フランチャイズ本部は、自チェーンとして災害時には具体的にどういう対応を行うのかの手順と役割分担を明確にして遅れの無い活動が実践できるような取り組みを日頃から徹底する必要があります。

地震調査委員会の発表したMAPによると今後30年以内に震度6以上の大震災の可能性があるというエリアは日本各地に広がっています。地域社会での存在感がますます高まっているフランチャイズ業界に属している皆様のチェーン店が、いつ起こってもおかしくない災害や犯罪に対しての対応に問題がないかどうか再度点検してみてはいかがですか?

「リスク対応マニュアル」は、存在していますか?毎年改定されていますか?最低一年に一回は緊急時の訓練は実施されていますか?従業員の採用時にリスク対応マニュアルに関しての教育は出来ていますか?

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