
かつて地域の名物として親しまれてきたローカルチェーン店が、今、新たな飛躍の時を迎えています。
北九州市で生まれ育った「資(すけ)さんうどん」の歩みは、この潮流を象徴する好例といえるでしょう。
1976年、北九州一枝の地に誕生した「資さんうどん」は、創業者大西章資氏の情熱と試行錯誤により、独自の味を確立しました。地元の人々に愛され、徐々に店舗を拡大していった同社は、2009年を境に大きな転換期を迎えます。下関市を皮切りに、福岡都市圏、福岡市へと出店を開始したのです。
そして、すかいらーくの傘下に入って2024年12月関東1号店を千葉県八千代市に、そして2025年2月に東京都内1号店を両国の地にと着実に全国展開に向けた歩みを速めています。関東の店舗はどこも大行列で大きな注目を集めています。
店舗拡大の過程で、「資さんうどん」は創業以来の味を貫いています。この決断は、ローカルチェーンがナショナルチェーン化する際の本質的な課題を浮き彫りにしています。地域の特色を保ちつつ、いかに全国展開を果たすかということですが、これまでのところ原点を貫くことが功を奏しているようです。
一方、近年、ナショナルチェーンが逆に地域密着型のアプローチを模索する動きも見られます。
例えば、大手ディスカウントストア「ドン・キホーテ」は、生鮮食品を導入した地域密着型店舗を展開し始めました。これは、全国展開と地域特性の両立が、現代の小売・飲食業界における重要な戦略となっていることを示しています。
ローカルチェーンのナショナルチェーン化は、単なる店舗数の拡大ではありません。それは、地域の味と文化を全国に広げる文化的な使命を帯びた挑戦でもあります。「資さんうどん」が掲げる「幸せを一杯に。」というミッションは、まさにこの精神を体現しています。
2025年、私たちは、より多くのローカルチェーンが全国展開を果たし、日本の食文化の多様性がさらに豊かになることを期待しています。同時に、ナショナルチェーンとローカルチェーンの境界が曖昧になり、両者の長所を併せ持つ新たな業態が生まれる可能性も秘めていると思います。
変わりゆく時代の中で、「最高の一杯」を追求し続ける「資さんうどん」の姿勢は、ローカルチェーンがナショナルチェーン化する際の指針となるのではないでしょうか。地域に根ざした味と温もりを全国へ。これこそが、日本の飲食フランチャイズ業界の新たな成長の方向性なのかもしれません。
皆様の周りに、全国チェーンを目指したら面白そうなお店はありませんか?そんな情報があれば是非ご一報を。
[参照]プレスリリース(PRTIMES)
遂に、念願の関東初出店!北九州のソウルフード「資さんうどん」は「資さんうどん八千代店」を12/27(金)午前10時~グランドオープン!