ワクチン接種も徐々に進んでいますが、感染者が一気に減少するといわれている全国民の接種率40%にはまだかなり時間がかかりそうです。
コロナ禍において不透明な時間がまだ続きそうですが、フランチャイズ業界でも先行き不透明な問題を抱えている本部が多いようです。
日本にフランチャイズシステムが導入されたのが、1963年と言われています。
すでに58年を数えます。
この間に業界全体は大きく成長し、現在大手チェーンと言われているところの多くは、40年以上の歴史を刻んでいます。そこで、クローズアップされるのが、加盟オーナーの年齢問題です。公正取引委員会の調査では、コンビニオーナーの平均年齢が53.2歳。50歳代以上が60%を超えるという結果となっています。そのため、コンビニでは、オーナーの世代交代にどう対処するかということがチェーンにおける大きな課題となっています。
コンビニに限らず、フランチャイズ本部をスタートして20年以上経つチェーンにおいては、オーナーの世代交代への対処問題がクロ―ズアップされてきています。モスバーガーでは、かなり前からオーナーの世代交代に対処するために、社員独立者に対してフランチャイズ加盟店を譲るというような仕組みを導入しています。
また、事業承継者がいない加盟店をいったん直営化して、その後改めて加盟者を募集したうえでフランチャイズ化するなどといった仕組みを導入している本部も増えています。
事業承継に関しては、フランチャイズ業界に限らずあらゆる企業で大きな問題となっていますが、フランチャイズ加盟店に関しては、FC契約で勝手に第三者に事業を譲渡することが禁じられている場合が多く、簡単に事業譲渡先を探して終わりという訳にはいきません。
また、本部としては事業承継先が決まらないで廃業ということになれば、せっかく長年築いてきた固定客をみすみす失ってしまうということにもなりかねません。
加盟店が同じ場所で事業を継続できれば、長年培ってきたお客様との関係を維持できるというメリットもあります。
個人加盟や実質個人経営に近い法人加盟が多い本部においては、加盟店の事業承継に向けての支援や事業承継者がいない場合のルール作りを考えてみてはいかがですか。
社員の平均年齢が上がっている本部にとっては、社員独立制度と加盟店の事業承継をリンクさせたルール作りはチェーン全体にとっても有効な方法だと言えます。