JIS規格改正の機会に、サービス業の標準認証を考える

日本で最初の地下鉄で、銀座線(東京メトロ)は、都内有数の観光地が集中する浅草~渋谷間を走るからでしょうか、昨今は訪日客のお国柄も多彩で、電車内で行き交う外国語を聞いていると、ともすると海外にでもいるのでは?と思うような瞬間があったりします。身近な生活の中でも着実に国際化は進んでいることを感じます。
ところで「日本工業規格(JIS)」をご存じかと思いますが、いわゆる日本の工業製品などの標準規格を定めたものです。このJIS規格によって、日本の製造業の生産性向上や国民生活の改善が図られてきました。また、JIS規格は国際規格とも連動し、日本の工業製品の品質等が世界に認められることにも貢献してきたと言えます。
ただ、工業化時代からサービス時代への変化や国際化などに伴い、基準認証の分野や手法も変化・発展し、認証の分野も品質マネジメントやサービスなどに広がっていますが、現行のJIS規格では第4次産業革命に伴う対応に遅れを取っているとの指摘がされていました。そうした中、昨年経済産業省がようやく国際標準化に向けて検討することを発表、JIS規格の根拠法の「工業標準化法」を70年ぶりに大幅に改正とともに名称も「産業標準化法」とする改正案を国会に提出しているようです。

国際的な標準認証と言えば「ISO(アイエスオー)」があります。
日本も国として参加し、国内外の基準認証として取り組んでいます。ただ、前述のように従来は標準化の対象は工業製品の性能や評価方法が中心でした。それが、マネジメント分野(品質管理)、サービス分野、社会システム分野(スマートシティ等)へと広がり、かつ横断化・複雑化も進んでいます。
日本でのISO認証は品質マネジメント(ISO9001)が広がりました。一方で昨今ISOの認証分野は専門化が進んで、「観光」「公式教育外学習(学習塾など)」「情報技術」といった分野にも細分化が進んでいるにもかかわらず、取得する企業は少ないのが現状です。フランチャイズビジネスでも、コンビニチェーンが取り組む環境保全(ISO14001)以外にはあまりニュースになりません。
ISOを取得するサービス業が少ない理由は、標準化認証することが、企業の成長にメリットがないと思われていることに違いありません。また、そもそも背景となる法律が「工業規格」であること、それに伴ってサービス分野の標準化に精通した標準化の専門家、認証機関の審査員が非常に少ないということにも原因があると思います。

さて、フランチャイズでは、オペレーションなどの「標準化」がビジネスパッケージにおける重要なファクターの一つです。私どもがISO9001規格認証をご支援したサービス業本部では、ISO認証で顧客の信頼度アップの成果があったと伺っています。

そうしたことを考えると、法改正でJISの対象範囲が拡大することがきっかけとなり、競争力を客観的に評価する規格として認知が進み、サービス業の生産性やサービス品質の向上が図られるとともに、フランチャイズビジネスでも他社との差別化に活用される可能性があると思います。
グローバル展開の予定がない本部でも、自社のサービス品質を測る尺度として、標準化認証の活用を考えてみても良いかもしれません。

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