
加盟店開発の体制を見直したいと考える本部も、少なくないのではないでしょうか。
ただ、その議論が「担当者を増やすべきか」「もっと反響を取るべきか」といった話に終始してしまいがちなことが起こりがちです。
もちろん、人員や集客は大切です。しかし実際には、資料請求が来ても面談につながらない、面談はしても比較検討で止まる、法人商談は進んでも社内決裁で止まる、といったことが繰り返されます。
このとき、本当に見直すべきなのは、反響数や担当者個人の営業力だけなのでしょうか。
加盟店開発は、単なる営業活動ではありません。集客、見立て、比較検討支援、提案、案件管理までを含む、本部の連続した機能です。
今回は、加盟店開発を「担当者の腕」の話ではなく、「本部機能の設計」という視点から考えてみたいと思います。
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加盟店開発がうまくいかない理由は、案件不足だけではない
加盟店開発について相談を受けると、よく出てくるのが、
「最近、問い合わせの質が落ちている」
「資料請求は増えたが、面談や契約に結びつかない」
という声です。
たしかに、案件数の不足や反響の質は重要です。
しかし、そこで思考が止まってしまうと、本質を見落としやすくなります。問い合わせが来ても前に進まないのは、案件が悪いからだけではなく、その案件を本部がどう受け止め、どう育て、どう次の段階につないでいるかに問題があることも少なくありません。
加盟希望者は、問い合わせをした時点で意思決定を終えているわけではありません。物件、資金、家族や社内の調整、他社比較など、さまざまな条件を整理しながら進んでいます。
にもかかわらず、本部側が「面談しない=見込み薄」「すぐ動かない=温度が低い」と見てしまうと、本来は育てるべき案件まで途中でこぼれ落ちます。
加盟店開発が止まる理由は、案件不足だけでは説明できません。むしろ問うべきなのは、そうした途中段階の見込者を、本部がどのような流れで受け止めているかではないでしょうか。
加盟店開発は、一つの仕事に見えて実は複数の機能でできている
加盟店開発は、しばしば一人の担当者の仕事として語られます。しかし実際には、かなり異なる性質の仕事が混在しています。
まず必要なのは、見込者と出会うための集める機能です。ネット検索、SNS、広告、DM、展示会、紹介など、接点の作り方は多様です。
次に必要なのが、問い合わせや資料請求の段階で、相手がどのような検討状況にあるのかを把握する見立てる機能です。
さらに、比較検討中の相手に対して、資料、事例、説明、面談、見学などを通じて判断材料を整えていく育てる機能があります。
そして最終的には、具体的な条件提示や個別商談を行う提案する機能、さらに案件を埋もれさせず進捗共有する管理・共有する機能が必要になります。
加盟店開発を一つの仕事のように扱うと、この複数機能が混ざったままになります。結果として、担当者の経験が豊富なときだけ流れがつながり、そうでないと歩留まりが落ちる、ということが起きやすくなります。
加盟店開発が属人化するのは、担当者の能力差だけが理由ではない
加盟店開発の属人化というと、つい「できる担当者と、できない担当者がいる」という見方になりがちです。
しかし本質は、能力差だけではありません。
多くの場合、問い合わせ初期対応、見込者の整理、情報提供、面談設定、再フォロー、法人提案、保留案件の管理までを、一人の担当者の頭の中でつないでしまっていることに問題があります。
これでは、どうしても「今すぐ動く案件」に時間が偏り、「まだ整っていないが将来性のある案件」は後回しになりやすくなります。
また、担当者が変わると履歴や前提が十分に引き継がれず、見込者との関係が途切れることもあります。
加盟希望者から見れば、「前に話したことが伝わっていない」「毎回ゼロから説明している」という体験になりかねません。
属人化の本質は、優秀な人がいないことではありません。機能の切り分けと受け渡しが設計されていないことにあるのではないでしょうか。
本部が設計すべきなのは、営業トークではなく接点の流れ
加盟店開発を改善しようとすると、つい営業トークや商談資料の話になりがちです。もちろん、それも必要です。
ただ、それ以前に必要なのは、見込者がどの段階でどの接点を持ち、そこで本部が何を渡し、何を確認し、どこで次の担当につなぐのかという流れの設計です。
新規事業を探している段階の法人に、いきなり詳細な契約条件だけを見せても響きません。逆に、比較検討に入っている相手に、一般論だけの資料を渡しても前に進みません。
つまり、本部が設計すべきなのは、うまい一言ではなく、フェーズに応じた接点の流れです。
どの段階で募集LPや資料請求があり、どこで個別相談に進み、どこで店舗見学や再面談を入れ、どの時点で条件提示や法定開示書面の説明に進むのか。この接点設計が曖昧なままだと、案件は担当者依存のまま動くことになります。
本部で見直したい、加盟店開発機能の基本設計
では、本部は何を見直せばよいのでしょうか。
最初に考えたいのは、どこまでをマーケティングが担い、どこから営業が入るのかです。反響を集めることと、個別案件を前に進めることは、似ているようで別の仕事です。
次に、営業に渡す前に何を整理するのかです。問い合わせの背景、相手の立場、検討の前提条件、今止まっている論点が共有されていなければ、商談は毎回ゼロから始まります。
さらに、保留案件・将来案件を誰が持つのかも重要です。「今すぐではない案件」を営業が抱え続けるのは負担ですが、だからといって放置すれば、せっかくの見込者が消えていきます。
そして最後に、管理指標の見方です。資料請求件数、面談件数、加盟申込み件数、FC契約件数といった数字は必要です。ただ、本当に見るべきなのは件数だけではなく、各段階で何が詰まっているのかという流れです。
数字を追っているのに改善しない本部は、数字の裏にある機能の切れ目を見落としているのかもしれません。
加盟店開発は人を増やすことより機能をつなぐことから始まる
加盟店開発の体制を見直すと、すぐに「人を増やそう」という話になりがちですが、順番としてはその前に、いま本部の中で加盟店開発機能がどう分かれ、どうつながり、どこで途切れているのかを整理することが先ではないでしょうか。
加盟店開発は、集客でもあり、見立てでもあり、育成でもあり、提案でもあります。だからこそ、一人の担当者の頑張りだけに委ねると、結果が安定しません。
本部が機能の流れを設計できれば、反響の意味も変わります。面談にならない案件をただの失敗と見るのではなく、どの段階で何が不足しているのかを見られるようになります。法人商談も、担当者の属人的な腕ではなく、組織として再現しやすくなります。
加盟店開発を見直すとは、人を責めることではありません。本部機能として、どのように設計し直すかを考えることです。
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ご相談について
加盟店開発が止まる理由は、反響不足や営業力不足だけではなく、本部の中で機能がどうつながっているかにあることも少なくありません。
もし貴社でも、
「資料請求はあるのに前に進まない」
「担当者ごとに結果がぶれる」
「法人商談が途中で止まりやすい」
といった悩みがある場合は、一度、加盟店開発の流れそのものを見直してみる時期かもしれません。
アクアネットでは、加盟店開発を単なる営業活動としてではなく、本部機能の設計という視点から整理するご相談も承っています。








