ドラッグストアの業界再編がこのところしばしば話題になっているのを目にします。
1990年代後半、地方でドラッグストアチェーンを展開していた某社の社長が、
大手による業界再編がどんどん進むだろうと語っていたことを思い出しました。
当時はマツモトキヨシ、ヒグチ薬品などが勢いがあった時代。
コンビニ、スーパーが成長する中で、新しい業態だったドラッグストアが薬局に近いカタチから販売品目を増やし、店舗も郊外に大型店を増やしていったように思います。
この15年ほどの間、業界のランキングは様変わりしました。
現ウェルシアが東証一部に上場したのは2012年、この10年ほどの間に多数の地方チェーンを吸収し、店舗数、エリアを拡大しています。
食品の薄利多売を可能にするビジネスモデルで、地域のスーパー、近くのコンビニとの競争に激しく食い込んでいます。
そうしたことは、消費者にとっては、買い物の選択肢が増えるといったメリットになっています。
医薬品、化粧品、健康食品、日用雑貨の品揃え、処方箋薬局の併設といった利便性といった面では、ドラッグストアに軍配があがりそうです。
旧来の大型スーパーが取った戦略は「薄利多売」でしたが、調剤医薬品で利益のバランスを取れること、店舗拡大によるスケールメリットを活かした仕入れ力が、ビジネスモデルをより強固にしています。
コンビニには自社商品開発、サービス面の多彩さ、立地の利便性など、ドラッグストアにはない強みがあります。
人気のスーパーには、自社開発レシピによる惣菜、新鮮な生鮮品の品揃えなど、食の楽しさを感じさせる店があります。
それらが競争と切磋琢磨をしてくれることで、消費者にも、コスパだけでなく、様々なメリットや楽しみが増えていくのではないでしょうか。
ドラッグストアにはフランチャイズはほどんどありませんが、チェーンビジネスの中で、今一番目が離せない業態だと感じています。
[参考]ドラッグストア 売上ランキング
1位 ウエルシアホールディングス
2位 ツルハホールディングス
3位 マツキヨココカラ&カンパニー
4位 コスモス薬品
5位 サンドラッグ
6位 スギホールディングス
※売上高6,000億円超
ウエルシアホールディングスとツルハホールディングスは2027年12月末までに経営統合すると発表した(2024年10月28日)。