ここ数年、チェーン展開している企業がフランチャイズ加盟する事例が増えています。
その中でもユニークな例が、食品スーパーと「移動スーパーとくし丸」です。
イトーヨーカドーのような大手スーパーから、地域一番店のスーパーまで幅広い加盟店を集めています。
加盟したスーパーでは「販売パートナー(業務委託)」を募集。
販売パートナーは、スーパーで扱う商品を軽トラックに乗せて地域を巡回・販売するという仕組みです。
こうした仕組みは、一見すると各スーパーがマネ出来そうに思えます。
しかしながら、スーパーマーケットが独自で仕組みを作ったり管理するには、時間もコストもかかってしまいます。
また「とくし丸」という別ブランドで巡回販売を外部委託することで、販売チャネルを分離することが出来ます。
そうすることで、スーパーは自社の商圏で売れる商品の仕入れに集中することが出来るというメリットもあるとも考えられます。
自社の空き物件や遊休地の活用のために、フランチャイズ加盟する例は多いですが、時代に即応した販売チャネル拡大に活用された例はあまり多くありません。
自社の事業の強みをフランチャイズ化することによって、加盟者にとっても新しいマーケットが広がたり、多様な商品を扱えたり、あるいは新規顧客の集客が出来たりなど、従来の発想であれば競争関係にあった相手と協業できる。
そのような新しいビジネス形態を創出を可能にするのが、フランチャイズ・ビジネスが社会や経済に貢献できることの一つになってきていると思います。
貴社でも自社の強みを「競争から協創へ」というキーワードで見直してみてはいかがでしょうか。