いよいよ10月には消費税が10%に引き上げられます。8%から10%を、たかが2%と見るか、されど2%と見るかは人によって意見が分かれるところかもしれませんが、買う側の立場に立ってみると、2%でも何となく高くなったなあという印象を受けるのではないでしょうか。
その印象=イメージが消費者の頭の中で増幅されると「あのお店は高くなったなあ!」ということになって、結果としてお客様が離れていってしまうということにもなりかねません。そこで、必要なのが、お客様に高くなったと思わせないための対策をとることです。
まずは、価格表示を税抜きで行うのか、税込み表示にするのかという点です。食品は軽減税率が適用される場合があるので、さらに難しい選択となります。
二種類の価格表示を避けるために、税抜き表示のみとするという企業(ドトールやモスバーガーなどがこの方式の予定)と税込み表示だけで対応するというところがあります。税込み表示で対応する場合は、同一商品でも、税抜き価格と税率は異なるけれど税込み価格は統一するという苦肉の策をとる企業(サイゼリヤやKFCがこの方式を採用する予定)もあります。
どの方式がお客様に混乱を与えず、尚且つ高くなったという印象を与えなくて済むかというのは現時点では判断できません。
さらに、これに加えてキャッシュレス決済の場合、2020年6月までの9か月間は、5%または2%のポイント還元が受けられるという制度も導入される予定です。
5%還元は、中小企業の小売店や飲食店、各種サービス及び宿泊施設など。大手企業系列のフランチャイズチェーン加盟店は2%還元となります。大手企業系列のフランチャイズチェーンの直営店は、還元対象外となりますが、本部によっては、混乱を避けるために、直営店も加盟店同様のポイント還元が受けられるようにするところも出てきそうです。
しかし、こういった優遇措置もお客様にきちんと訴求できないと意味のないものになってしまいます。
軽減税率の対応でトラブルを防ぐためには、会計時の対応の標準化を徹底することが求められます。さらに、キャッシュレス決済におけるポイント還元ができるのかどうか、できるのであれば5%なのか2%なのかを明確にするためにも、店頭やHPでの訴求徹底を図り、お客様の来店きっかけになるような訴求方法を考えてください。
消費増税を新たなお客様獲得のチャンスととらえて、十分な準備と対策を講じてください。