今年の行方が不安視される一年のスタートとなりましたが、株価も上昇し、賃上げを明言する経営トップも多く経済面ではコロナ禍から脱し、上昇気流に乗れそうな一年となるような予感もします。
フランチャイズ業界では、コロナ禍の影響で昨年度までの3年間はフランチャイズ本部の数や店舗数も減少に転じていましたが、本年度以降はおそらく売上高はもちろん本部数と店舗数も拡大基調に戻るような勢いを感じます。
今年のフランチャイズ業界の行方を占ってみますと、ここ数年続いている副業的なフランチャイズチェーンは、まだまだ増えると推察されます。
多くの企業が社員に副業を奨励するという社会的な追い風と投資に近い考え方でフランチャイズ加盟を検討する人が増えているという側面もあって、今後も副業的な加盟を訴える本部が増えるものと考えられます。
次は、無人に近い運営が可能な業態の増加も引き続き拡大すると思われます。
しかし、餃子などの無人店の増加に伴って犯罪も増加しており、さらなる拡大に向けてはより一層の防犯対策が求められています。また、健康への関心の高さからフィットネス関連は大きく伸びていますが、急激にフランチャイズチェーンが増加しているためにブランド間競争が激化すると予測され、今後ブランド間の優劣がはっきりと分かれる可能性も高まっています。
飲食業では、コロナ禍に増加したゴーストレストランのような宅配分野もコロナ禍からの脱却とともに勢いは失われつつあります。一方でコロナ禍でも比較的ダメージを受けずにきた郊外型の焼肉店やカフェなどが今後も堅調に推移していくと推察できます。飲食店各社は、固定費の重い直営展開からフランチャイズ展開に重点を置こうという企業も増えており、今後ますます企業間の競争が激化する可能性があります。コロナ禍で打撃を受けた店舗が閉店し、その後の物件活用で業態転換や新業態への参入などのニーズも高まっており、業界としては間違いなく拡大傾向になっていくと予想されます。
サービス業分野では、シニア向けの関連業態や幼児向けの教育や保育などの分野は根強いニーズがあり、ますます拡大していくと予想できます。
業界全体としては、明るさが見えてきてはいますが、物価高に給与アップが追い付いていないという状況の中、ブランドの選別が顕著になる可能性が高く、自社商品やサービスを磨きなおすことも大切な一年となりそうです。