苦戦するアパレル業界で元気なのが作業服チェーン「ワークマン」。なぜ作業服チェーンがアパレル業界で注目されてるようになったのか?
ユニフォームを支給されることが少ない若い職人がかっこいい作業着を自前で求めるニーズ(プロユース)に応えて、「プロ仕様で、かっこ良くて、安価」な商品がそうした需要に応えたのが始まりと言われます。
その後、職人の作業着以外にも、アウトドア、バイク用、釣り、登山用に購入するようになり、それがSNSや口コミ情報で広がっていったというのが、ワークマンが一般ユーザーにも知られるようになったきっかけのようです。
しかし、業績が好調な理由は、こうしたチェーン全体の魅力度が上がっただけではないようです。
小売業で最も重要で、しかも時間がかかる業務が発注。全国チェーンと言えども、地域性や立地などによって、売れ筋商品、季節商品の販売ピークなどは異なります。そうした現場感覚を加味した予測をするためには、過去データの分析に加えて、個店ごとの需要予測が欠かせません。
そのために、ワークマンでは全社員がデータ分析のスキルを身につけているそうです。2017年から自動発注システムを導入しているのですが、加えて社員がデータ分析するためのツールもあり、需要予測のスピードと精度を補完し、より高い精度で発注が出来ているという裏の姿があるそうです(参考:日経新聞7/8)。
小売業、飲食業チェーンでは、POSシステム、バーコードなどによって、作業効率がアップしているのと同時に様々なデータを収集しています。
売上データは過去のものですが、顧客の動向を知る手掛かりとして、これほどの宝はありません。
最近の書店には「データ分析」「Excel仕事術」「ビジネスマンのための統計」といった数値データを活用するスキルが求められていますが、店舗で働く人は自分で勉強する時間を取ることはとても難しいというのも実情ではないでしょうか。
自チェーンの店舗運営に有用な「エクセル」の使い方を本部で開発して、店舗の社員や加盟店に提供することが出来れば、チェーンのワンランクアップが可能になることをワークマンの事例から学ぶことが出来ると思います。