フランチャイズ業界のトップランナーであるセブン-イレブンが50周年を迎えました。
1974年5月15日、東京の豊洲にオープンしたのが、セブン-イレブン1号店でした。オーナーは山本酒店の店主、山本憲司氏で現在でも現役で店頭に立つ姿を目にします。
セブン‐イレブンは、50年間紆余曲折を経ながら、チェーンとしては、2万店を超える規模にまで成長し、日本のコンビニ業界のトップであり、フランチャイズ業界のリーディングカンパニーとして非常に大きな存在にまで成長しています。
日本のコンビニ業界は、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートの大手3社がほぼシェアを独占しており、寡占化が進んでいます。その中でも売上高、利益ともに突出しているのがセブン-イレブンです。そんな業界において、コロナ禍を契機に各社成長が止まり、将来の成長に向けての道すじが見えずらくなってきています。そんな中、セブン-イレブンの最近の施策として興味深いのが、新たな立地に向けた小型店の出店です。地方の工場内などに小型の無人店舗を設置して、おにぎりやパン、チルド弁当など人気の商品も置き、入れたてコーヒーやATMなども設置して顧客の利便性を確保しています。
一方、セブン-イレブンの加盟条件には、夫婦などの親族二人がそろって初めて契約が可能という規定がありました。今年の株主総会では、今後単身者での契約も可能とするように検討を進めるという説明が永松社長からあったということで、創業50年を経てセブン-イレブンのフランチャイズパッケージも時代に応じた見直しを余儀なくされている証ともいえます。
これらの施策は、他のコンビニ各社でもセブン-イレブンに先行して取り組んでいるところもあり、半世紀を経て業界全体が大きな転機を迎えようとしているといえます。
今後は、コンビニ業界内での競争だけではなく「マイバスケット」のような都市型の小型スーパーなどとの競争激化も予想されています。生鮮品の販売や定価販売の見直し、無人化への対応など様々な課題を解決するための次の一手が何なのかは、各社の具体的な取り組みを見守るしかないかもしれません。これまでの半世紀は、セブン-イレブンがトップランナーになりましたが、次の半世紀は新たなランナーがトップを走っているかもしれません。
皆さまの業界でもコロナ禍を契機に業界内のポジションが大きく変動したり、顔触れが変わったりということがありませんか?
次の勝ち組を目指して今一度自社の取り組むべき課題を明確にしましょう。