仕組みを整えるとは何か?“引き継げる本部”の次に見直したい視点

前回は、「業務の属人化」を防ぐために、引き継げる仕組みづくりが不可欠であるという話をお伝えしました。
そのなかで、属人業務を“見える化”し、言語化・形式化することの大切さを取り上げました。

では、その「引き継げる状態」を組織全体にどう広げていけばいいのか?

そのカギとなるのが、**“仕組みを整える”という視点**です。

■仕組みとは、「誰がやっても、同じようにできる」こと

属人化を解消し、人が育つ組織へ変えていくには、
業務が特定の人だけでなく、他の誰でも“再現できる”状態にする必要があります。

仕組みとは、「人に頼らず、業務を回すための“型”や“構造”」のことです。

■FC本部における“仕組みが未整備”な例とは?

以下は、実際のフランチャイズ本部でよく見られる例です。

  • 加盟希望者からの問合せ対応が、人によって答え方や資料が違う
  • 加盟店からの質問を個別に対応しており、履歴やFAQ化がされていない
  • 開業支援のスケジュール管理がExcelで属人的に管理されている
  • 店舗報告フォーマットが統一されておらず、集計に時間がかかる
  • 法定開示書面の管理が「知っている人しか分からない」状態になっている

これらの業務が“その人がいるから何とかなる”状態にとどまっている限り、組織は伸び悩みます。

■“仕組み”をつくるとは、具体的にはこういうこと

  • 加盟開発の初期対応をトークスクリプトで統一する
  • 店舗からの報告を共通のGoogleフォームにまとめる
  • SVが使う訪問チェックリストをテンプレート化して共有する
  • 開業支援のスケジュールを、全関係者が閲覧・更新できるようにクラウド化する
  • マニュアルやFAQを、属人記憶ではなく文書で検索・運用できるように整備する

どれも特別なシステムではなく、
“今あるツールを、同じルールで使う”だけでも仕組み化は進みます。

■ツール導入も“仕組みがあってこそ”機能する

多くの本部で見られるのが、「とりあえず便利そうだから」とツールを導入したものの、運用ルールや整理の仕組みがないために使われなくなってしまうケースです。

仕組み化とは「ツール導入の前に道筋を整えること」でもあります。

  • 情報はどこに保存するのか?
  • 誰が、どのタイミングで、どんな形式で使うのか?
  • 引き継ぎや教育のときにどう説明できるようにするか?

これらを決めておくことで、業務は“人から人”ではなく“仕組みから人”へと受け渡されるようになります。

■「人に任せる」から「仕組みに任せる」へ

属人化を手放すには、「いまやっている仕事を、他の人ができるように整える」ことが必要です。
これは育成や引き継ぎだけでなく、業務改善・人材定着・本部機能の強化にもつながります。

まずは、自部門でこう問いかけてみてください。

  • この業務は、別のスタッフがやっても、同じ水準でできるだろうか?
  • それが“仕組みとして機能している”状態と言えるだろうか?

“引き継げる”だけでは、まだ組織の属人性は残ります。
“仕組みとして機能する”ことで、ようやく本部全体が一枚岩となり、育成型フランチャイズへと進化していきます。

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