今年のシルバーウィークは、久しぶりの大型ということもあって、
多くの方が様々なところにお出かけになったようです。
私も特に目的があったわけではないのですが、アメリカのシアトルへ行ってきました。
マイクロソフトやボーイング社といった世界的に有名な企業の本拠地ということで、
中国の周主席が訪れたことで最近話題にもなりました。
しかし、我々流通サービス業に携わる者にとって、シアトルと言えば、
やはりスターバックスはじめ日本でも有名なカフェチェーン発祥の地ということがまず頭に浮かびます。
そして、そういったチェーンが現在地元でどういう発展を遂げているのかということは、最も興味のあるところでした。
まずスターバックスですが、一号店いわゆる「ファーストスターバックス」を訪れると、
多くの観光客とおぼしき人たちが店外まで行列していました。
すっかりシアトルの名所になっているようです。
世界的なチェーンの一号店とはいえ、
普通のカフェが街の名所になっていることが驚きです。
日本でチェーンの一号店が観光名所になっているというところは
あまり聞いたことがありません。
さらに、ブルーボトルコーヒーなど新たな潮流に対抗するような新業態店
「STARBUCKS RESERVE ROASTERY&TASTING ROOM」にも行ってみましたが、
ここも多くの観光客でにぎわっていました。
店内に焙煎工場を設置した大型の店舗です。
コーヒーの傾向は従来のコクのあるタイプというよりは
浅めの焙煎で軽い感じのものが多いような気がしました。
従来のものと比べてどちらがおいしいというよりは、完全に好みによるという感じです。
こういった観光地化しているお店は、あくまでも特殊なお店で、
シアトル市内には、スターバックスのお店が約120店あるそうです。
シアトルの人口が約60万人。5千人に一店です。
街なかはブロック毎にスターバックスがあるのですが、
それなりにどこのお店も繁盛している印象でした。
一方、日本ではスターバックスを追いかけるように店舗を増やしているタリーズですが、
シアトルでは、経営不振でオーナーが変わり店舗は激減しているそうです。
また、シアトルベストコーヒーは、スターバックスの傘下に入り
細々と継続していますが、その存在感はあまりないという感じです。
シアトルに関して言えば、カフェ=スターバックスになってしまったという印象です。
さらに、アメリカといえば、マクドナルドとサブウェイという
巨大チェーンが思い浮かびますが、こちらも全く存在感がありません。
街なかにも何軒かはありますが、ランチ時でもそれほど入っていませんし、
お店の雰囲気や清潔感も見劣りするといった感じです。
この二つのチェーンが、アメリカ国内でこれほどに存在感が薄いのは驚かされました。
逆に言えば、スターバックスの地元におけるブランドの浸透=生活に欠かせない存在感が凄すぎるということかもしれません。
シアトルのスターバックスには、チェーン展開成功の鍵やエリアに密着した
ドミナント戦略の在り方など見本とすべきところが多くあるようです。